見知らぬ街
車を走らせ30分
やっと見えた港街
私の新しいお家と
私の新しいお友達
ドキドキワクワクどうしよう
ちゃんと仲良くできるかな
車を戻して30分
まだ引き返せる田舎町
私の元いたお家と
私の大切なお友達
悲しいな悲しいな
車を止めて30分
やっと出てきたお母さん
袋片手に上機嫌
スキップしながらやってくる
中身は何かなプレゼント?
戻ってきたら聞いてみよう
遠雷
遠くの藍に光が差す。
遅れて音が轟くの。
ゴロゴロゴロゴロピシャーン
耳にも脳にも悪い音。
驚いちゃうじゃない。
でもそんなに悪くはないの。
たまに心地良ささえ覚えてしまう。
読書が捗る。
あの不自然な作業音が私を救う。
重い瞼を擦って間違えた問題を解き直す。
これには答えがあるのだから。
だけどもだけどもご用心。
本当に大切なものには答えなんてない。
これが世界の真理なの?
あ、眠いな。
ずっと溺れてしまう。
黒い意識に体を預ける。
ふわりふわり宙へと舞う様な気持ち良さ。
ずっとずっとこのままでいい。
目が覚めなければいい。
遠雷轟く冷たい世界。
ずっとずっとこのままなのかな。
私の理想とかけ離れてる。
あのおぞましい星へ縛り付けられてるの。
Midnight blue
黒に近い紺色が夕陽色から顔を覗かせる。
とうに子供はおうちへ帰る時間でしょ。
いつだって死にたくて仕方がない。
だから帰らないの。
この深夜二時の青さに溺れていたい。
ずっとずっと溺れていたい。
時が止まればいいのにね。
幸せの裏に潜む不幸だけが巡り巡って帰ってくる。
こちらだけに顔を覗かせる。
やぁ久しぶり。
やめてよ。
嫌だよ。
嫌だ。
嫌。
ずっとずっと会いたくない。
もう二度と顔を見せないで。
もう二度と。
未来永劫。
この青が濃く色づいてやがてまた光が差す。
そうなったら消えて頂戴。
あなたとだけは踊りたくない。
手中の中の惨めなマリオネットにはなりたくないの。
泣いても無駄でしょ分かってる。
だから仕方がないの。
今夜あなたのお人形。
好きにすればいいじゃない。
嫌いだよ。
ずっと。
君と飛び立つ。
天使のような純粋な君。
夕方光のベールを纏って微笑む君。
夜の街を嬉々として見渡す君。
いつか背中から翼でも生えそうなくらい綺麗な君。
いかないで。
置いていかないで。
いかないで。
もし叶うなら君と飛び立つよ。
でもまだ今はこの腐った星で暮らしていよう。
まだ今は。
まだ今は。
きっと忘れない。
多分、きっと。
死んでも忘れないよ。
ずっとずっと忘れない。
そんなの嘘だね。
忘れちゃうでしょ?
絶対そうだ、忘れちゃう。
だからいいの。
それがいいの。
それでいいの。
抱える傷すら愛おしい。
増えた痛みすら自分の一部。
癒えない傷も過去の作った証拠。
だからね、きっと忘れない。