ブランコ
公園で少女は1人、ぼんやりと、楽しそうにブランコをこぐ子供達を見ていた。
「ねぇ、なにしてるの?」急に、声を掛けられた。
「ブランコ空いてるよ。乗らないの?」いつの間にか、ブランコが空いていたらしい。
「乗らない。」少女は答えた。
「なんで?楽しいのに」と、不思議そうに言った。
「私もブランコに乗りたいけど、怖いの。ブランコを思いっきりこいだら、落ちそうで怖いの。」
少女は少し声を震わせて答えた。
「じゃあ、うちが支えてるよ!ブランコ乗れないのは絶対人生損してるもん!行くよ!」
その少女は返答を待たず、半ば強引に手を引きました。「そういえば、あなたの名前は?うちは咲!」
「えっと、ゆなだよ」
「ゆなね、よろしくゆな!」「えっと、よろしく」
「ブランコは手をしっかり持って、ちゃんと座ってたら、落ちないよ!」「さあ、乗って!」咲はゆなをブランコに乗せ、こぎ方を説明しました。「でも、ほんとに落ちないの?大丈夫なの?」ゆなは不安そうに言いました。「大丈夫だって!行くよー!1、2、3!」咲がゆなのブランコをゆっくりと押した。「わっ!」ゆなは初めは怖がっていたものの、しばらくすると、楽しそうにブランコに乗っていました。「前に行くたび、空が近くなる!」弾んだ声でゆなが言った「でしょ!ブランコって楽しいでしょ」「うん!楽しい!」2人は楽しそうに話をしました。
『木枯らし』
僕らは友人からの誘いで、夏休み中、3人で登山に来ていた。その友人が言うには、その山から見る朝日が綺麗で、人も少ない穴場らしい。
朝日を見るためとはいえ、真夜中の山というのは雰囲気がある。「なぁ、俺さ、この山に登るって聞いて、少し調べたんだけど、ここ、出るらしいぜ。」
「ちょっと、こんなところで怪談なんて言わないでよ」僕はすぐ、抗議した。しかし、もう一人の友人も「あ、俺も知ってる。真夜中に季節外れの木枯らしが吹いて、化け物に襲われるっていうやつ?」と、話に乗ってきた。「いや、俺が聞いたのは、化け物じゃなくて、ここで殺された女の霊に呪われるっていうやつだぜ」「その怪談あやふやじゃん」とツッコんだとき、ひときわ強い〝木枯らし〟が吹いた。「寒っ!山とはいえ、寒すぎないか?」「まさか、あの怪談ってホントなんじゃ、、、」と僕が言った。「そんなことないだろ!さすがにないよな、、、?」その時、ガサガサと葉を踏む音がした。3人で一斉に振り返った。いや、実際には振り返ってはないのかも知れない。だが、絶対に会ってはならない危険なナニカだと言うことを本能的に悟った。
気付けば、下の受付にいた。他の登山客が倒れている僕らを見つけて、報告してくれたらしい。僕らは何があったか、全く覚えていなかった。でも、そこで恐ろしい出来事があったこと。服越しでも感じるピリピリとした空気。異様なまでに冷たい木枯らし。その3つはいつまでも忘れられなかった。