週末行く予定だった保護猫カフェは、急遽予定が入り延期になってしまった。
息抜きにとおもっていたが、流石に仕方ないか。
「……はぁ」
出るのはため息ばかり。
「いかんいかん。また落ち込んじゃう」
私は薬を飲むと、早めに布団に入った。
しかし、どうやったら心が満たされるほどに幸せになれるのだろう……
久しぶりにテレビのロードショーを観ていた私は、エンディングで少し鼻をすすった。
どうなることかと思ったけど、心熱くなるラストで観て良かった。
やはり物語はハッピーエンドが一番いい。
あまり嘘くさいとん?と思うこともあるが、でも悲しいエンディングは心臓がギュッとなっちゃうから、やっぱりハッピーエンドがいいんだよなぁ。
でも次回は、なんにも考えずに観られてバカ笑い出来るようなのも観てみたいなぁ。
いやぁ、ほんとに癒やされる。
日々の悶々とした出来事や、願っても手に入らないものなど、私の心を蝕むものは数知れずある。
そんな時、ひとしきり泣いたあとにクロちゃんに癒やされているのだ。
そのビー玉みたいな綺麗な目で見つめられると、色んな悩みが一瞬だけどっかに行ってしまうんだ。
君がいなかったら、きっと私ももうこの世界にはいなかったんじゃないかな……
かろうじて立っている私を引き止めてくれているのは、紛れもなく君なんだよ。
何で自分は子供がいないんだろう。
あの人は子供いて、幸せそうなのに。
私はたまにそういう思いにとらわれて、抜け出せなくなる。
裏で陰口を叩かれていたりするからだろうか、何かと比べてしまうのも、そのせいだろうか。
あの人もあの人で、事故物件のマンションしか買えなかったこと、それなのにこっちは新築のうちに住んでいることを羨ましがっているのかもしれない。悔しく思ってるのかもしれない。
結局どちらも、ないものねだりなのだ。
「買ってしまった……」
私は冷蔵庫の中にあるイクラを眺めながら呟いた。
なまものがあんまり好きじゃないのに、イクラはいける方だったので、ついつい手が伸びてしまったんだ。
これでイクラ丼を作って食べたら、どんなに美味しいだろう。
そう思いながらスーパーでワサビを買い、醤油があるかもチェックし、準備は万端だ。
「はぁ、楽しみだなぁ」