日と月

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9/6/2025, 3:12:08 PM

誰もいない教室

日が傾き少し暗くなる夕方
何処からか聞こえる
歌の無いメロディーだけの童謡
忘れ物を取りに戻る教室には
誰もいない教室
静まり返ったその教室は
寂しさすら感じる
不気味にさえ思える教室を
忘れ物を持って出ていく
1人教室を後にする
少しの恐怖を感じながら

9/5/2025, 2:36:48 PM

信号

あの子は全然気付いてくれない
さっきからずっと送っているのに
全くこちらを見もしない
早く気付いて
ずっと送ってるよ
やっとこっちに気付いてくれた
それは何?教えられないよ
それは勿論秘密だよ
あの子と僕の信号なんだからさ

9/4/2025, 1:54:24 PM

言い出せなかった「」

沢山の花が咲いているこの丘
その中でも一際目立つ一輪の花
毎年咲くこの花を見つめる
澄んだ青空と微かに吹く風
あの時に似ている
もし今、あの時に戻ったならば
決して巻き戻せないこの時に
あの子がいたならば…
淡い記憶と共に
一輪の花が揺れる
きっと今なら言えるかな
言い出せなかった「 」

9/2/2025, 1:21:32 PM

ページをめくる

本というものは幾重にも紙が重なる
それを一枚一枚ページをめくる
一枚に残す言葉や数字を
人々は、わかりやすく
解釈出来るように作っていく
頭の中で必死に考えた一ページを
新たな人が読み
更なる解釈を持って
未来へと続いていく
彼らの手によって
時には便利に時には害をなす事もある
興味を持ってページを巡る
それはきっとこれから更に
未来へと繋がる希望になるかもしれない

9/1/2025, 1:41:06 PM

夏の忘れ物を探しに

いつの頃だったろうか
今ほど暑くない夏の日
遠くで確かあなたがいた
あなたに声をかけた時
とても優しい笑顔で微笑んで
けど何故か少し切なく見えた
日が傾きかけて互いに背を向け
家路に帰る
次の日もう会う事は無かった
切なく見えたのはきっと
この日の事をわかっていたから
そして優しい笑顔を一生懸命
作っていたんだね
あなたは覚えているかな?
あの時の忘れ物を探しに
あの頃の記憶という忘れ物をね

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