泡沫

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6/28/2021, 3:32:19 PM

教科書には何でも書いてあった。
学ぶべき漢字や読むべき文書、役立つ記号や公式、日常に潜む物質の事や、先駆者たちの記録や言葉、不可解な異文化言語。
どれも教科書に書いてあって、どれも必要だと言われてきた。だからそれを読んで学んで紙の上で試したりもした。

それでも──教科書通りにはいかない。

コミニケーションのとり方、普段使うことの無い計算、見えやしない何か、普段は意識しない過去、覚えたくもないカタカナ。
見て、聞いて、書いて、触って、声に出しても。それらは今の失敗の取り戻し方なんて書いてない。
こんなもの、所詮"書いてあるだけ"なんだ。
詭弁、冒涜、傲慢、エゴ、そんなふうに呼ばれるものばかりで、何一つ"今"を見ていない。未来か、過去か。全て記録だから。全て過去のことだから。必要だと言うのも、きっと誰かの轍だ。

──でも、何もかも上手くいくなんて……そんな馬鹿な話はないんだ。

僕たちの明日は、誰かの上にあるから。足跡を辿って生きているから。決められたレールの上に立っているんじゃない。それも僕らのひとつなんだ。
失敗はしたくない。学べるのは『失敗しない方法』だよな。そんなもの体験せずに生きて行ければ一番良い。
でもさ。痛みは、悲しみは、苦しみは、別れは、体験しなくちゃ分からない。体験しなくちゃ誰かに伝わらない。気づいているかい?僕らもまた、誰かに足跡を残しているんだ。
そしてまだまだ先も僕らは誰かの轍を踏んで歩いてく。そしてその先を、誰も踏んだことの無い道を歩くんだ。その轍は僕らの"教科書"。見るだけだ、辿る必要なんてない。
キレイな文章も、堅苦しい公式も、訳分からない御名前も、会ったことない人の遺影も、世の中に混じった異言語も。僕らで踏んで歩いていこう。
前を向いて、自分だけの下手くそで、ぐちゃぐちゃで、キレイだなんてとても言えない、でも力強く、くっっきりと、大きな、前を向いた足跡を残そう。
それを見てた誰かが誰かなりの足跡を残すんだ。
僕らは、世界で、宇宙で初めての一人なんだ。
史上初の僕らは……最後には笑って見返してやろう。

だって僕らは────















幸せになるために生まれてきたんだ。

6/15/2021, 12:11:42 PM

「マギ」
マギは大高忍センセイが書いた作品で、守りたいもの、変わるもの、変わらないもの、そして今を生きる希望を見出して生きる素晴らしさを謳った作品だと思っています。人のために動ける金髪の少年、そんな少年を素敵だと言える魔法使いの少年、過去の楔から解放され未来を見た赤髪の少女。傷ついて傷つけて、失って手に入れて。先駆者の言葉を糧に、僕らは自分らしく生きていく。人は一人では生きていない、生きていけない。運命はレールじゃない。未来を生きるための希望だから……。これを読んだ人は是非とも一冊でもいいから読んで見てほしい。そしたら……星空の下、火でも囲みながら話をしましょう。