7/7/2022, 12:33:33 PM
七夕は雨の日が多い
でもあの日は今日のように珍しくよく晴れて
すいこまれそうな夜空を口実にして
わたしはあなたに初めて電話をかけた
雲が切れたらそうしようと目を凝らしていた
ぎこちない挨拶の後
とつとつと互いの想いを確認して
空には金平糖が浮かんでるようだった
沈黙が降るたび同じ台詞を繰り返した
甘すぎて開けない日々の断片
いまだにうまく語れないけど
7月7日だけはいつも立ち止まる
いじらしく瞬くキラキラに目を細めて
(七夕)
7/6/2022, 1:39:35 AM
ぽつりぽつりと
思い出したように降る星
屋上へ続く外階段に腰掛け
缶ビールを置く
薄暗闇の中
遠くの歓声に目を閉じる
ショートパンツから伸びた脚を
くすぐる適温の風
星は一晩中降り続いた
親密な輪に包まれ
明日もその先も
淡く照らされるように
(星空)
7/5/2022, 9:20:47 AM
正しい答え
最期に映す色、心模様…
誰も知らない
神様だって知るはずのない
これからの風に
もみくちゃに吹かれて立っていたい
笑いながらね
(神様だけが知っている)
7/2/2022, 9:01:12 AM
眩むようなまぶしさも
ひそやかな煌めきも
そう、いつだってそれは光だから
熱さも冷たさも
すべてわたしのもの
触れればするり駆け出してしまう
(窓越しに見えるのは)
7/1/2022, 4:29:18 AM
「今日、極彩色の夢を見たんだ。」
忙しい朝のルーティンにまぎれて
その冒頭の言葉だけ残して
すべり落ちた欠片キラキラ
目を覆うように舞い飛び散る
そこにはきっと赤い糸もあった
うだるような夏の絵
(赤い糸)