【後で書きます!】
今はソファが水色で、テーブルは茶色の木目調、
壁は白いし、あのビルの窓には流れる雲が映っている
…こんな鮮やかに見えてたなんて…
僕は萩谷順一。
3年前に仕事で鬱になりつい半年前まで自宅で過ごしていた。
仕事は介護関係。
毎日利用者の要望や悩みを聞きながら
入浴介助やレクリェーションの進行などを担当している。
最近気分の落ち込みが激しいことや
お風呂になかなか入れないことが原因で
心療内科に受診したら
「あなたは鬱です」
と言われた。
それから3年間、
世界が灰色っぽく、モノクロに世界が見えていた。
ということに今日、初めてわかった。
朝起きたらいきなり、というかいつの間にか
いつもより色が濃く見える、はっきり見えるようになっていた事に気づいた
「ああ、これだけ心が傷ついていたんだな…」
いつの間にか
カラフルな世界からモノクロに変わった世界。
モノクロからカラフルに変わった世界。
どちらも経験した。
こんなに色が変わるほど落ち込んでたなんて知らなかった。
また今日も明日もカラフルな世界に住んでいたい。
永遠なんて、ないけれど
「にゃーお、うにゃー」
5分前とはえらい違いだ
ご飯が食べたい、甘えたい、遊びたい……
その感情や思考が手に取るように分かる…
永遠なんて、ないけれど
この魔法が解けるまでの間は人間としての僕じゃなくて
猫としての僕でいられる。
君と会話出来る、温もりを分け合える。
いつも飼い猫の気持ちはどう感じてるんだろうと
思うこともあるから、たまには猫に変身してみたい
涙の理由
1秒、いや、0.1秒…
僕はこの一瞬で涙し、交差点の真ん中で姿勢が崩れ跪いてしまった。
涙の理由はホワイトムスクとベビーパウダーが混じった少し重めで粉っぽい匂いがしたからだ。
この匂いは僕の中でずっとずっと封印していた香り。
2年間その香りを手に取ろうと思ったけど君を余計に思い出すからやめた。
でも偶然にも君と同じ香りを今日買嗅いでしまった
それにより君と海で夜の23時から朝の6時まで語ったことも、悩みを打ち明けたことも全てを思い出してしまった
…やっぱり君が好きだ。
あの時僕は女性だけど、女性の君に告白してしまったのが悪い。
そのせいですべてが崩れていった
本当の自分をうちあけた後悔と
君に少しでも近づきたかった気持ちも
全部が溢れてきた
「…やっぱり彼女は僕から離れていったんだなぁ…」
パラレルワールド
それは夜から朝に切り替わる時の、
お月様がゆっくり欠けて消えていく
10分の1もの速さに感じる出来事だった
体感では。
………日記を閉じて一呼吸する。
周りを見渡す
声を出してみる
匂いを嗅いでみる
よかった、現実に戻れたんだ
安堵した………