#12 綺麗なグラデーションになった淡色の空。
暗いのに、雲だけが浮いて見える。
始まりはいつも暗闇から。
助けを拒否してまで自分の力で生きようとしていた。
暗闇のの中でも、自分一人でどうにか灯りを探り出す。
でも、助けてくれる人がいた。
苦しくて、震える手を必死に押さえていた時、その人は声をかけてきたのだった。
誰にも、気づかれたくなくて、人がいないところに行っていたのに気づかれてしまい、その瞬間は血の気が引いた。
だけど、ただ「大丈夫…?」そう聞かれたのだ。
「えっ…」そう言葉をこぼし、下を向いていた顔を上げる。
どうにか痛みを堪えて、その人の顔を見た。
それが初めての出会いだった。
始まりはいつも暗闇からだけど、
終わりは光が差すのかもしれない。
___始めはいつも
#11 夕日の赤色に染まる雲。多くの雲が綺麗だった。
初めてのすれ違い。
ひきつる笑顔をたもちながら、去っていく友達の背中を見る。
何が駄目だったの…。上手くいっている気がしてた、だけ…?
この先が急に怖くなる。
今まで通りにいかなくなったら……。
いつもの明るい笑顔が消えた。
何かをきっかけに、あのことが誰かに知られたら。
手が震え出す。すると、あの痛みが襲った。
荒い息をしながら,時間が短くなってきてる、と思った。
やっぱり、縮んできているの、かも、、、とも。
それでも、誰にも見られないように、そう思って、
人がいない場所に行った。
___すれ違い
#10 秋晴れ。
雲ひとつない空。とても綺麗だった。
額縁の中にあるような美しい風景を見る。
この景色を、この空を何回見れるだろうか…。
少しだけだけど、時々そう思う。
誰もいないところで苦しむこともあるけれど、必死に笑顔で隠しているから。
"沢山の人生がある場所"で存分に楽しもう。
安定の思い出を。
でも、最近。 よく目が合うクラスメイトがいて…。
今までの計画が崩れていくような気がした。
違う思い出ができるのかな_________
___秋晴れ
#9 あの日から、ちょうど1年が経った。
あの言葉は一生忘れないと思う。
頭が真っ白になって、
この先の未来も真っ暗になったようだった。
絶望。そんな言葉が浮かんだことを昨日のように覚えている。
もう、何も考えたくなくて、全部が嘘だと、思いたかった。
全て忘れたい。
でも、忘れられないのだ。
どうしようもできない。
目を逸らしたくても、そらすことができない現実。
今、自分に起きているとも思いたくないけど、
それが本当だから。
だから、一人で抱えて過ごそう。
必死に隠して生きていく、そう決めた。
___忘れたくても忘れられない
#8 暗い曇った空。
雲におおわれて、真っ暗だった。
光が一つもない。暗闇のように。
この空に、光を差してくれないかな。
やわらかな月の光を。
今まで、自分の現実を見ないようにしてきた。
毎日、必死に平気なふりをして、本当の自分を見せないようにしていた。隠していけるように。
でも、日が経つうちに苦しくなっていく。
こうなることは、わかっていたけど。
自分の暗闇に光を差してくれてもいいのに…。
だけど、結局はどうしようもない。
必死で頑張るしかない。
生きる、って決めたから。
辛くても、時間を大切にして自分自身で光を差さないと。
暗闇の中でも、美しい輝きを持つことができるはず。
___やわらかな光