#12 綺麗なグラデーションになった淡色の空。
暗いのに、雲だけが浮いて見える。
始まりはいつも暗闇から。
助けを拒否してまで自分の力で生きようとしていた。
暗闇のの中でも、自分一人でどうにか灯りを探り出す。
でも、助けてくれる人がいた。
苦しくて、震える手を必死に押さえていた時、その人は声をかけてきたのだった。
誰にも、気づかれたくなくて、人がいないところに行っていたのに気づかれてしまい、その瞬間は血の気が引いた。
だけど、ただ「大丈夫…?」そう聞かれたのだ。
「えっ…」そう言葉をこぼし、下を向いていた顔を上げる。
どうにか痛みを堪えて、その人の顔を見た。
それが初めての出会いだった。
始まりはいつも暗闇からだけど、
終わりは光が差すのかもしれない。
___始めはいつも
10/20/2022, 12:14:17 PM