スニーカーのソール越しにサラッとっとした土の感触。しゃりしゃりという音を立てながら歩いている。1人のとき、誰かと一緒のとき、何十年も前の記憶。
足裏のその感触は、時に湿りを帯びる。雨のせいだ。雨に濡れた土がスニーカーにまとわりつく。じゃりじゃりという音がする。きらいではない感覚。すぐに止む雨ならばいつでも降ってくれていい。
もし雨が降り止まなければどうなるんだろう。
足裏の感触はどうだろう。足音はベチャ、ベチャという音だったかな?いや、雨音で歩く音なんて聞こえてたかな?振り続けたら土はどうなるかな?沼みたいになる?そしたらこの辺は湿地帯になってしまって、ボートがないと生活できなくなるな。車や自転車は役に立たなくなるな。学校や会社はどうなるかな?どうにかして止まないかな。人との付き合いも減るんじゃないかな?移動が大変だから。子供もお年寄りも家でばかり過ごすのかな?
雨はきらいじゃないけど、止まないと困るな。
この世界が始まって今のところ、止まない雨はないみたいだ。
限りがあるから大切なんだな。
みんなが過ごしやすくあるために、ルールを守ることは大切だと思う一方で、縛られすぎて進歩出来なくなる弊害もあると感じる。
時代にそぐわないルールなどは、どんどん変えた方がいい。
それに気づいたら早めに動かないと、知らぬ間に思考停止し、その歯車の一員になってしまう。
たった一度の人生、自分だけではなく、みんながより生きやすくなる為に、少し勇気を出してみよう。意見する事なんて、たいした事じゃない。
週半ばの疲れのせいか、うっすらくもりの心模様。
でもそれでいい。
雨があるから晴れが嬉しい。
「たとえ間違いだったとしても」
とある企業から声をかけてもらい、これまで勤めていたホワイト企業での仕事を捨て、転職する事になった。
役割、給与など待遇は良いが、ノルマ、仕事量が多すぎて、離職者が後をたたないと、入職後に知った。
転職、間違えたかな…と不安になった。
仕事の夢なんかも見てしまうようになった。
でも迷う度、転職を決断した時の気持ちを思い出す。
多少大変でも、もっと必要とされている所でもう一度挑戦してみたいと思ったはずじゃないか。
たとえ間違いだったとしても、挑戦せずに終わるよりはマシ。
そう信じて明日も働く。
わずかなもの
貴重なもの
かけがえのないもの
はかないもの
美しいもの