Ryu

Open App
4/5/2024, 2:50:40 AM

仕事初日は失敗ばかりで、自己紹介すら緊張してまともに出来なかった。
他の同僚達は要領がいいのか、うまいこと職場に溶け込んでいってる気がする。
初日からこんなに取り残された気持ちになるとは予想してなかった。
もう少し、うまくやれると思ってた。

帰宅して夜、コンビニ弁当を食ってたら不意に虚しくなった。
耐えきれず、地元の友達にLINEする。
調子はどうだ?と。
楽しげな絵文字を使ったら、何だか余計に虚しくなってきたが、すぐに友達からの着信があった。
文字面を打つのが嫌いな奴だった。

どうもこうも、うまくいかねーことばっかだよ。
学生気分じゃバカにされっから、必死で背伸びしてっけどな。
そっちはどーなんだ?
お前のこったから、職場で気後れして孤立してんじゃねーのか?
出しゃばらないのがお前のイイトコだもんな。

懐かしい声がする。
弁当の残りはそのままに、缶ビールを開けた。

そーいや、この間、お前の親父さんに会ったよ。
たまには電話してやってくれって…あいつは人に頼るのが下手だからって。
そんなお前から連絡してくんだから、初日は散々だったんじゃねーのか?
でもさ、そんでいーんだよ。
始まりは人それぞれなんだからさ。

散々だったのはお前もだろ、と突っ込んでやろーと思ったが、ここは、励まされる立場でいることにした。

覚えてるか?
俺達が小学生だった頃。
何やってもうまくいかなくて、クラスで孤立して、学校で孤立して、上級生に睨まれて。
俺なんか、母親にも見捨てられてさ。
お前は島を離れて引っ越して行くってゆーし、いろいろとツラかったけど、お互いちゃんと前に進んでたよな。
そんでここまで来たんだ。

この、ダンボール箱の中のどこかに、あの日の遊戯王カードがあるはずだ。
島を出る時にお前がくれた、俺の宝物。

そーいや、お前に送りたいもんがあったんだ。
LINEで送れんのかな。
ちょっと待ってろ。

しばらく時間をかけて、使い慣れないLINEでお前が送ってきたのは、あのお別れの日に神社の境内に隠した、二人で肩を組んで撮った笑顔の写真。
俺達が大人になっても、こんな時代があったことを忘れないように、と。

いやー、今日の仕事がツラくてさ、思わず帰りにあの神社に寄って、この写真をスマホで撮ってきた。
これ見ると、こんなバカでも大人になれたんだな、って安心するんだよ。
もちろん、お前の方な。

そっか…。

おいおい、ツッコめよ。調子狂うだろうが。

不意打ちの写真に泣くのを堪えるのに必死で、それどころじゃない。
あの日の境内では堪えきれなかった涙を、大人になった今は何とか抑えることが出来ている。
これも成長ってやつか?

お前はさ、あの日、親の都合で海の向こうへ越して行ったけど、それでも今がある。
こうして仕事を始めて、その初日に俺とお前が話してる、今がさ。
何も間違ってないだろ。
だから、それでいーんだよ。
俺もお前も、これでいいんだ。

何がいいんだよ。訳わかんねえ。

やっとツッコんだな。それでいいんだ。

涙腺は崩壊寸前だが、まだもう少し、堪えられる。
せめて、この電話が終わるまでは、持ちこたえて欲しい。
あの夏、二人で上級生に立ち向かった武勇伝を、壊したくない。

4/4/2024, 3:43:24 AM

桜咲くこの季節に、新しい生活を始める。
親元を離れ、一人暮らしのワンルーム。
荷物の片付けを終えて、夜を迎える。

父親がビールを飲みながら見るナイターの歓声も、
母親が夕食後に食器を洗う水の音も聞こえない。
遠くから、街のどこかを走る救急車のサイレン。
コンビニ弁当をダンボール箱の上に置いて、
昨夜までとのギャップに心が沈んでゆく。

不安と寂しさ。
今はまだ知り合いもいないこの街で、
たった一人で生きてゆく。
遠く離れた故郷で暮らす両親の顔が思い浮かんだ。
自分が心身共に支えられていたことに気付く。

ただひとつだけ、今日という日に手に入れたもの。
どう生きていくかを選べる自由。
選択を誤れば、すべてが自分に返ってくる。
やっと、自分の時間が動き出したような気がする。

夜が深くなるにつれ、不安と寂しさにもうひとつ、
感謝が加わった。
両親に対する感謝、
こんな自分を受け入れてくれる世の中に対する感謝。
冷たい洗礼を食らう可能性もあるけど、
皆と同じスタートラインには立てた。
すべてはこれからの自分次第だ。

明日は仕事初日。
コンビニ弁当のゴミ分別も怠らずに、
今夜のところはダンボールベッドで夜を越えよう。
人生第二幕の扉が開く音を聴きながら、就寝。

4/3/2024, 2:59:49 AM

ずっと大切にしてきたつもりだけど、あっけなく誰かに取られてしまう。
きっとそんな日が来る。
来なくても困る。
でも来て欲しくない。

思えば、自分も他人の大切なものを奪った過去がある。
そしてそれを、自分の大切なものにして、今を生きてる。
身勝手な話だ。
因果応報ってやつか。
でもまあ、奪った奴が大切にしてくれるのなら、それはそれで許される話に…なるだろうか。

たくさんの思い出を残して、自分のもとを離れてゆく。
悲しいけれど、その大切なものが自分に与えてくれた幸せは計り知れない。
人生の中で、そんな時間を過ごせたことに感謝して、いざその時が来たら、「ふつつかな娘ですが」とでも言って、そいつに託そうか。

まあ、そんなことを本人達に伝えたら、「人をモノ扱いしないでよね」とか言われそうだけど。
そもそも、誰かに託せるその日は、本当にやってくるのだろうか。
あまりにもふつつか過ぎて…。

来なくても困る。
でも来て欲しくない。

4/1/2024, 2:10:21 PM

縁があって始めたこのアプリも、
いつの間にやら3ヶ月が過ぎ、
プロ気取りで一日一本なんて調子に乗って、
臨機応変に言葉を紡いできたつもりだけど、
ルーズな自分にはやはり無理があったのか、
振り返れば、なんだコレ?な文章ばかりで、ど
ーすればレベルアップ出来るか悩みつつ、
ルールに縛られるのも嫌気が差してきて。

うん、そろそろ限界かも。
そんな気がしてきた今日この頃。
つまらない創作は意味が無い。
いつだってやめていいんだろうな。
てか、やめた方がいいのかもしれない。
潔くこの辺で、さよならしようか。
今までよく頑張ったと褒めてあげたい。
んー、もう少し頑張れるつもりだったけど。
誰かが、少しでも面白いと思ってくれたなら、
良しとしてこの場を去ることにしよう。
寝言みたいな文章ばかりでゴメンナサイ。

気分は、TA・TE・YO・MI
よくある手法。
うまくいかないもんだな。
誰か手本を見せて欲しい。
結構自信あったんだけど、
ハズしまくってる気がするよ。

4/1/2024, 7:37:22 AM

些細な出来事が 物語の伏線になるように
すべての物事に 意味があるんだと知った
誰かと他愛のない話題で盛り上がったり
昨日の失敗を不意に思い出して悔やんだり

些細な出来事に 心が歪んでいく夜もある
小さな不安から 抜け出せなくて嘆いたり
でも乗り越えてきたからこそ今があって
次のステップに進むことに喜びを感じてる

だから大丈夫

昨日も今日も明日も きっと幸せな一日
変わらないものさえ 変えていく想いと
昨日も今日も明日も ずっと幸せな一日
新しい一歩を踏んで その先へ進みたい

すべては自分の思うがままに
そう上手くはいかない事だって分かってる
それでも今日という日が来る限り
誰かと共に築いてゆく 幸せな毎日

歩いてゆく 歩ける幸せを感じながら
未来を描く 描ける自由を感じながら
笑顔になる 微笑みの力を感じながら
幸せになる そんな一日がまた始まる

Next