あれからもう、どれくらい経っただろう。
がむしゃらだった日々。
君は運命の人じゃないと信じて。
お互いの人生を通り過ぎただけの存在だと。
君と一緒に行った水族館に、
君の知らない人と来たんだ。
君とは違う笑顔で、君とは違う言葉で、
たくさんの会話をして、君が少しずつ薄れていく。
ありがとう、ごめんね、さよなら。
でもね、あの日君がいた場所には、
今もまだ、君の姿が残っているんだよ。
時折オーバーラップして、
食事する君が、手を繋ぐ君が、微笑んでる君が。
I'm Waiting for Spring
前に進むことでしか、君を忘れられないから。
I'm Walking to the Future
叶わなかった未来を捨てて、この人と歩き出したいから。
目を閉じて、遠く海の音を聞いて、
オーバラップする君を消してゆく。
過去に君と走った海岸線を、
助手席で微笑む、今の君と一緒に。
Waiting for Spring
Walking to the Future
どこまでも、いつまでも、
自分達の色で、塗りつぶしていきたい。
あの楽しかった日々に、別れを告げて。
こんなつもりじゃなかった。
ただ、会って話がしたかった。
昨夜のことを聞きたくて、聞けなくて、
冬晴れの公園を、黙ったままで歩き続ける。
責めるつもりなんてなかった。
朝まで帰らなかった君が心配で、
何があったのかを聞きたくて、聞けなくて、
いつの間にか、無言で君を責めてた。
大切だったから、見過ごすことが出来なくて、
少しずつサヨナラを覚悟してゆく。
暖かい陽射しの中で、凍えるような気持ちを抱いて、
この公園が二人の、最後の思い出になることを。
Winter Comes Around
冬が訪れて、すべてを白く白く、
二人の時間を白紙に戻していく。
Winter Comes Around Slowly
ゆっくりと冬は訪れて、
ポケットの中で君がくれた手袋を握りしめる。
不意に君の声が背中越しに届いた。
「今までありがとう」
Winter Comes Around
Winter Comes Around Slowly
冬がゆっくりと訪れる。
こんなに空は晴れているのに。
幸せとは、朝、いつものように目を覚ますこと。
幸せとは、電車の中で聴く音楽が心にしみること。
幸せとは、誰かに頼まれた仕事を黙々とこなすこと。
幸せとは、誰かの他愛ない話に大笑いすること。
幸せとは、頑張った疲れを感じながら帰路につくこと。
幸せとは、家族に「おかえり」と言われること。
幸せとは、猫を抱っこすること。
幸せとは、ご飯が美味しいこと。
幸せとは、YouTubeに好きな動画がアップされること。
幸せとは、ゲームをクリアすること。
幸せとは、快便であること。
幸せとは、お風呂で歌を歌うこと。
幸せとは、一日が無事終わり、眠りにつくこと。
幸せとは、俺がこうして生きていること。
夜のうちに、すべての友達に別れを告げた。
この世にサヨナラする理由は、長く生きすぎたから。
マンションの屋上にリクライニングチェアを置いて、朝が来るのをじっと待つ。
日の出とともに、自分の体が砂と化して風に散りゆくのを感じる。
砂と化しても俺達の意識は残ると聞いているが、この世から肉体が消え去れば、夜な夜な出没する切り裂き魔の噂は消えるだろう。
願わくば、映画の中で描かれる俺達の紳士的でカッコいい姿はそのままで、こんなジャージ姿のおっさんが夜の公園で首筋に噛みついていたことなど、出来るだけ早く忘れてもらいたい。
他人を傷付ける食事にも罪悪感を覚えるほど、現代人は優しすぎる。他人のことを思いやってくれる。
献血なんて、そのイイ例だ。
こんな世界では、俺達は今までのようには生きていけない。
長く生きすぎたな。もう満足だよ。
ああ、日の出だ。
この美しい景色を目に焼き付けて、跡形もなく消えていこう。
その先のことは…分からない。
もし、復活してしまったら…また吉祥寺でタピオカでも売って…あ、それでは皆さん、さような…。
まずは、自分が幸せであること。
そのためには、家族皆が幸せでいること。
家族皆が幸せに過ごすには、周りの人達の生活も平穏で、町が平和であり、国が道を誤らず、世界が手を繋いでいること。
自然が牙を剥くのは仕方がないが、お手柔らかにお願いしといて、時にハラハラドキドキもしながら、最後には「無事で良かったね」と言い合えること。
抱負っていうよりHope。
この願いを心に抱いて、日々を過ごすことが今年の抱負かな。
あ、それと、新NISAの運用がうまくいきますように…これもHope。