久我城ぬいろ

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4/22/2024, 1:10:52 PM

たとえ間違いだったとしても

思えば俺は間違いばかり犯してきたのかもしれない。
今更、人を殺すことにすら後悔を覚えないが。
あの時の後悔は忘れることもない。
だから、最後にはいつも覚悟を決めていなければならない。
この茶番劇にも、最後があることを忘れてはならない。

俺の全ての選択は間違っていた。
俺が産まれてくる場所を間違っていた。
でも、たとえ間違いだったとしても。
この人生の最後には、後悔がなかったらいい。

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自創作 赤い祝日 より
間違えた人 ギル

4/19/2024, 1:40:02 PM

もしも未来を見れるなら

もしも未来を見れるなら。
お前の未来は見てみたい。
俺がいなくなったらお前は。
どんな顔して故郷に戻る?
何もかもなくなった国で、どう過ごす?
お前はどんな未来を目指して。
どんな人間になって。
どうやって、生きていく?
もっと、もっと、その先を。
お前なら見せてくれると信じてる。

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自創作 硝煙は笑う より

4/18/2024, 2:21:16 PM

無色の世界

君が死んだと聞いて、色が消えた。
消えたのは色だけじゃなかったかな。
とにかく、僕が僕としてある根底のものが、気付いたら消えていた。
重要なのはその事実だけ。
国がどうなったかとか、そんなことは関係ない。
……いや、一つだけ、ある。
人は死ぬのだ。国も、世界もおなじ。
君が死んだからといって。
僕が僕でなくなったからといって。
世界が死なない限り、「これ」は変わらない。
白黒は白黒のまま、生き続けてしまうのだ。

「……さて、話の続きをしようか」

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自創作 硝煙は笑う より
色が消えた人 神崎

4/17/2024, 2:43:02 PM

桜散る

春も、もう終わる。
今年も夏が来る。
そうやって、時は何も変わらないままで。
ずっと桜の散り際を見ている。

4/15/2024, 2:34:51 PM

届かぬ想い

こんなに近くにいるのに、届かない。
初めは絶対に手に入れようと近付いたのに。
俺が思っていたよりもずっと、この距離は長かった。
これでは、あの時と同じだな。

何度目かの告白も、もう聞き飽きたろう。
どうせ、結末がバレるのは時間の問題だ。
この手で、殺される前に殺してしまうのだ。

何度も吐いて届かなかったこの想いは、
とうとう永遠に届かぬものとなった。
銃口が鳴いた後の夜は、やけに静かだ。

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自創作 赤い祝日 より
終わらせた人 ギル

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