平穏な日常
平穏な日常。
朝起きる日常。
スーツを着る日常。
働きに出かける日常。
部下と話す日常。
書類を書く日常。
スマホを見る日常。
定時で退勤する日常。
アイツに会いに行く日常。
アイツをいなす日常。
覚悟を決める日常。
アイツに助けられる日常。
アイツを助ける日常。
アイツがいる日常。
それが、平穏な日常。
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自創作 赤い祝日 より
過ぎ去った日々
俺を追い越していった日々は、もうこちらに帰ってこない。
今年で25年。調子良く語れる思い出も、それなりにできたつもりだ。
それに対する俺の思いというのも様々で。
後悔、追憶、寵愛。今では、数え切れないほどの何か。
それでも、やはり一番俺の頭に数多く居座っているのは、後悔なんだろう。
俺を残して逝った彼奴との記憶も、忘れられないものだ。
はじめに出てくるのは、煙草を吸っている彼奴の姿。
体に悪いからやめた方がいいと何度言っても聞かないから、そのうち諦めていた。
今生きていても、そのうち煙草のせいで死んでいたんじゃないか。
────とか、いくら考えても彼奴に言える機会はもうない。
確かに、悲しいし、何故死んだのか、何故俺を庇ったのかと憤りたくなることもある。
だが、彼奴が俺に生きてほしいと望んだのなら。
やはり、俺はまだ過ぎ去る日々とこの先を共にしようと思うのである。
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自創作 硝煙は笑う より
お金より大事なもの
「金銭」という概念こそ、人間が作り出したものである。
人間がこれまで生み出してきたものは、それだけではなくて。
愛。自由。命。あるいは、神。
人が作り出した「虚構」こそ、この人間社会を成り立たせているそのものなのだ。
虚構。あるいは、思想。
人がこの世から消え去らない限り思想は不滅であり。
思想が潰えない限り人もまた不滅なのである。