霜月

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7/11/2023, 3:41:55 PM

「1件のLINE」


俺には1つ年下の幼馴染がいる
昔から何をするにもいつも一緒で
妹みたいに可愛がっていた


部活終わりの帰り道
彼女から1件のLINE


『聞いて!私彼氏ができたの!』


胸がズキリと痛んだ
どうして今さら気づいてしまったのだろう

赤い夕日が影を落とす
俺は深呼吸して返事を打ち込んだ


『おめでとう』


俺の初恋は始まる前に終わってしまった

7/10/2023, 3:24:31 PM

「目が覚めると」


夢の中の幼い私が問いかける

「夢は叶った?」


咄嗟に返事ができなかった
あんなに焦がれていたはずなのに
私はいつの間に夢を忘れていたのだろう

純粋で無垢な瞳が期待を込めて見上げてくる
私はその瞳から逃げるように
そっと目を逸らし祈った


目が覚めてもこの夢を忘れないでいられますように

7/10/2023, 8:19:50 AM

「私の当たり前」


春の優しく暖かな香りを運んだ校門も

夏の熱烈な陽射しに汗と笑みをこぼした校庭も

秋の柔らかな風に船を漕いだ教室も

冬の凍てつくような淋しさの中別れた友も


まだ思い出にするには早いから
あの日の当たり前が未来の私の糧となるように


後ろを振り返るのはもう少し後にしておきます