未知亜

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10/22/2025, 7:27:50 AM


 急に気温が下がると、手足の先がざわざわする。上がるときはそうでもないのに。
 ほかにも、カレンダーやノートの残りが少ないと気づいたときとか、後ろから呼び止められたときとか。やり残したはずの何かを、どうしても思い出せない感じ。
 あなたの顔を目にした瞬間、そんなことを考えた。一見穏やかな表情ながら、目の奥だけは笑っていない。ざわざわした指先を無意識に握りしめると、すぐに慣れた感覚に収まってそれきり忘れてしまっていた。今思えばそれこそが、終わりの始まりだったのかもな。

『予感』


(スマホ無事修理に出しましたので、遡り編集しました。代替機の操作性がなかなか良きで。数日だけのご縁なのが残念です)

10/21/2025, 9:41:42 AM

「美和は?ㅤどうする?」
「そーだなあ」
ㅤ不意に呼ばれて、考える振りでテーブルに目を落とす。綺麗に揃えられた桃色の指先。
ㅤあれ以来二人きりで会わなくなった。他の人と一緒の時も、私とはあまり目が合わなくなった。そんなことにいちいち落ち込む日々を幾つも過ぎて。もうすっかり友達みたいな顔で話せるようになったけど。
ㅤ気を抜くと込み上げそうになる気持ちに、私はまだ泣きながら蓋をしている。


『friends』

10/20/2025, 9:49:13 AM

ㅤいつも一緒にいたから、そばにいるのが当たり前だと思ってた。
ㅤ君の注いでくれる愛を当たり前に飲み干して。それがどんなに特別だったか考えもしないで。

ㅤ今思えば奇跡みたいな夜。
ㅤ肌に重なった君の声が、耳の奥にこびりついて消えない。


『君が紡ぐ歌』

10/19/2025, 9:00:11 AM

歩きながら頭を整理してるうち
ふと光が差すかのように鮮明に
ひらめいたアイデアを試そうと
思うそばから全く別の関係ない
ことがたちまち霧のように垂れ
込めて何を思いついたのかもう
次の瞬間には思い出せもしない
そんな感じなんです、たぶん君。

『光と霧の狭間で』

10/18/2025, 9:54:08 AM

 夕闇が一層深まった気がした。額に滲む汗を感じる。少しも暑くはなく、むしろ冷たさを覚えるのに。
 こちらに戻された瞳から、強い意志を感じる。部屋を支配する不自然な沈黙が、 何より雄弁に語っていた。
 ここまで我慢したよ、と。もう限界だ、と。

 見えない砂時計の中、最後の一粒が落ちる音が聞こえた。

『砂時計の音』

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