ねぇ
100歳の少女って居るでしょ?
ファンタジーやバトルの物語に出てくる
見た目は少女なのに
実は100年以上生きている
吸血鬼とか、天使とか、
わたしとか。
無茶苦茶な事が許されるの。
あたまの中さえ ずっと夢を見ていられるのなら。
30歳になろうと
40歳になろうと
100歳になろうと。
その先は、よくわからない
だってわたしは
16歳の少女だから。
きっと
人と同じ吸血鬼はこう思ったの。
わたしは吸血鬼だから
鏡にも映らないし
闇の深い夜にしか
人の世界に姿を現さないし
醜く衰えていく
この愛らしい素顔も
歳月は意味を成さないって。
そう思い込む事にした。
そう我慢する事にした。
そうしたら美少女は
美少女吸血鬼になっていた。
おしまい。
わたし思うの
努力をしても
叶わない夢があるって。
たとえばわたしは
小説みたいに長い物語を
何回死んでも
書く事は出来ないのだけど
アメリカ映画のような
シニカルで下品極まりないジョークは
息をするみたいに出てくるの
もし
私が悪魔に生まれていたら
良い事をするよりも
悪い事をする方がとても簡単だし
きっと
悪くて悪魔に向いている事をする方が
周りの仲間の悪魔にも
いっぱい褒めて貰えると思うの
わたしはそれでいいと思ってる
悪魔が天使になることは出来ないって
100年くらい生きてきて
なんとなくわかってるつもりだし
こころが痛くない生き方をしても
こころはちゃんと細胞分裂をするって
なんとなくわかってるから
だからいいよね
わたしも
あなたも
悪魔のままでいよう。
ねぇ
明かりを消したまま
あなたのお部屋を見て欲しい。
そうしたら
目の前にあなただけの海が広がって見えるから。
テレビの赤いランプはちいさく愛らしい灯台だし
夜はねむったままのカーテンを開いたら
窓からはちいさな星のこどもたちも見える。
いつもとは違う
心地好い戸惑いを胸にあなたは
うすくあかるいお部屋を
月灯りを頼りにさまようことができるの。
ね、すてきでしょ?
わたしのすてきな冒険譚は
とてもたくさんあるのだけれど
わたしは
あなただけの冒険譚を見つけてみてほしい。
わたしはね
お題の帽子って
どんなものでもいいと思ってるの
例えば
今回は麦わら帽子だから
わたしはひまわりを麦わら帽子に見立てて
お題を書いてみようかなって思ってた
ここから
向日葵のストーリーを
一生懸命考える
どうしたら感動するお話になるのか
どうしたら泣けるようなお話になるのか
どうしたら読んで貰えるお話になるのか
それらを誠実に考えてみるの
そして
それでも思い付かなかった場合は
書くのをやめる
本気になれなかったお話は
誰の心にも響かないから
わたしは
良い作品をつくりたい
そのために
一生懸命であることを
いつも忘れたくない
私はぬいぐるみが好き
だからね
お母さんのように
ゲームセンターのクレーンで取ったあと
机の本棚に
かわいいねって飾って
ほこりまみれにしておくのが
とっても
許せないの
ぬいぐるみは生きているから大切にしないとね
わたしがそう思っている限り
大切にしないといけないし
可愛がらないといけない
とても哀しいけれど
ご飯もあげられないし
トイレのお世話もできない
それでもわたしは
どんなペットよりも
わたしにはあなたが居てほしい