11/14/2023, 1:23:09 PM
運ばれた どこか懐かしい匂い
この小さな花が
こんな強い香りを放つなんて
信じられないよね
そういった君の声となびく髪を
風が吹くたび 鮮明に思い出して
そのたびに僕は 君に恋をする
あの花と同じ 甘く香る君に
【秋風】
11/13/2023, 1:18:52 PM
背中を向けて歩き出したなら
向かい合って笑うことも
隣に並んで同じものを見ることも
難しくなると知っている
それを嫌だと思うのは
私だけだったんだね
きっと これが最後だから
笑顔で嘘を吐いてあげるわ
『またね』
【また会いましょう】
11/12/2023, 2:34:57 PM
不安
恐怖
緊張感
罪悪感
それを上回る
刺激
快楽
背徳感
優越感
すべてが混ざって
あなたと私の
左薬指に焼きついてる
【スリル】
11/11/2023, 1:41:53 PM
羽ばたけもせず
蹲って空を見る
あぁ、この翼が
もしも腕だったなら
あたしはあなたに触れられたのかな
そう思うことはあったけど
あぁ、あたしの背中に
一対の翼があったなら
そう願うことはなかったよ
ひとりじゃ飛べないこの翼が
あたしは愛しくて仕方ない
比翼連理
はんぶんのあたし
【飛べない翼】
11/10/2023, 12:24:19 PM
さわさわと音立てるのは
その穂か 僕の胸か
同じ光を見ながら言った
『きれいだね』
あなたには届かなくて
月灯りに揺れる影だけが
小さく頷いた
【ススキ】