11/3/2025, 10:28:31 AM
大きく手を振った
向かいのホーム
君は気がついて
小さく手を挙げた
上り と 下り
それぞれに乗り込んで
ベルの音に唇を噛む
【行かないでと、願ったのに】
あの春が、嘘みたいに
穏やかな冬がきて
いま、一枚の毛布の中
君に触れて眠る
あの日
行かないでと願ったのに
走り出して君を連れ去った列車が
僕を君へと運んでくれた
次の季節には
ふたりで向かおう
変わらないオレンジに揺られながら
11/2/2025, 11:42:10 AM
並べた思い出は
色褪せないまま
二人だけのものに
【秘密の標本】
SNSなんかに
晒さないで
ここにずっと
閉じ込めておきたい
11/1/2025, 5:50:39 PM
はみ出した足先が冷たくて
君の足と絡めた
体温を飲み込むように
君を食む
【凍える朝】
凍りそうな温度の洗濯物を
ハンガーにかけるのは
乾くまで君を繋ぎ止めるため
乾燥機の中で
タオルだけが笑った
10/31/2025, 11:33:35 AM
朝と夜
太陽と月
そんな風に例えたら
近づけないけど
光と影なら
きっと隣り合わせ
【光と影】
輝いて、焼きつけて
影が 痕に変わればいいのに