11/9/2023, 1:27:59 PM
『ほんとに女の子だ』
そう言って君が笑った。
何ヶ月も続いた文字だけのやりとりを
『遊びに行っていい?』そう言って終わらせた君は
想像していたよりもずっと華奢で
だけど想像していた通り 無邪気な女の子だった。
同じ年齢で 同じような傷を抱えて
バーチャル世界に逃げ込んだ私たちは
離れた場所にいたはずなのに、確かに出会って
異性だったら恋に堕ちるようなスピードで仲良くなった。
出会った頃は未成年だった私たちが
お酒を飲める歳になって
それぞれにパートナーを得て
家族を増やして
『おばあちゃんになったら さ…』なんて
未来の話をしたよね。
それなのに
君はおばあちゃんにならないことを選んだ。
ねぇ?
目を閉じて浮かぶのは
初めて会ったあの日に一緒に見たイルミネーションで。
何をどうしたら、一緒におばあちゃんになれたのか?
今も そればかり考えてる。
【脳裏】
11/8/2023, 12:32:36 PM
文字で伝える『おはよう』や『おやすみ』
送られてくるきみの見た世界
耳もとで笑うかすれた声
繰り返す毎日の中で
あきれるほど大切にしてきたそれさえ
意味がなくなってしまう
きみに触れてしまったら
その温度を知ってしまったら
ぜんぶが無機質な機械の中
遠く 遠く 感じてしまう
それでも
それでも
意味のないそれを繰り返すことが
離れたきみを思うことが
戻ってきた現実を
次に会える日までの日々を
生きてくための支えになるから
今日もきみに送る
『おはよう』
【意味がないこと】
11/7/2023, 3:34:34 PM
あなた と、わたし
コーヒー と、砂糖 みたい。
あなた は、わたし を 染めるばかりで
あなた は、わたし に 染まらない。
だけど、ねぇ?
確実に甘くなるその味に
わたし は 満たされて
いくらでも溶けていけるの。
【あなたとわたし】