輪手輪ダーリン

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9/14/2023, 12:26:31 AM

『風の払暁』

夜風は生きている者の身も心も凍えさす

太陽という存在がいなくて
寂しくてたまらないのだ

夏は太陽が一緒にいてくれる
時間が長いからまだマシなほう

冬は夜が長いから
寂しさを埋めるため
ところかまわす当たり散らす

風は夜明けをいまかいまかと
健気に待っている


"夜明け前"

9/12/2023, 4:31:19 PM

テンはキジトラの猫で、優雅に森を歩く姿はまさに王者そのものだった。彼の毛並みは森の景色に溶け込みながらも、彼の瞳はいつも鋭く光り、何事にも満足することなく、自分だけの完璧な快適さを追求していた。その日、テンはまた村を訪れることに決めた。人間たちが住むその場所には、いつも雑多な空気が漂っていて、テンにとっては不快だった。しかし、そこで彼は何かを見つけようとしていた。

村に入ると、テンは村人たちに堂々と声をかけた。「おい、人間ども。俺の命令に従え。」その一声に、村の人々は驚くどころか、顔を輝かせながら一斉に答えた。

「もちろん、テン様!何でもおっしゃってください!」

テンはその反応に満足げな表情を浮かべ、少し誇らしげに尾を揺らす。「まずは、俺のために完璧な食事を用意しろ。それから家を整えて、俺が寝る場所を最高にしておけ。」

村人たちは、無言でその通りに動き出した。食事はテンの好きな魚を使い、家は彼の快適さに合わせてすぐに掃除され、寝床も最も柔らかいものに変えられた。それだけでは足りないとテンは続けた。

「俺が歩く道も、整えておけ。どんな小道でも、完璧に整備しろ。」

「はい、テン様!すぐに手配します!」村人たちはテンの命令に次々と従い、どこまでも尽くしていった。その顔には、恐れではなく、喜びが浮かんでいた。彼らは、テンが自分たちに命じることで、逆に満たされるような気分になっていた。彼が快適であれば、彼らもまたその一部となり、同じ快適さを享受できるかのような錯覚を抱いていた。

テンは心の中でほくそ笑む。人間たちは、彼の支配にすら喜びを見出し、忠実に従っていく。これこそが、自分の理想とする「快適な世界」だと確信した。彼にとって、すべてが完璧であることが最優先だった。村は次第にテン専用の楽園へと変わり、人間たちはその支配を喜んで受け入れていった。

テンは自分の王国を築き上げた。そこでは、彼が快適でいられる限り、すべての人間がそのために尽力し、彼の命令を喜んで聞き入れる。テンにとって、世界は自分だけのものとなり、彼の支配は永遠に続くのだった。

9/12/2023, 9:42:33 AM

『カレンダー』


2072年のカレンダー
自分の誕生日に花丸をつけた

これはわたしの死亡予定日
人生の終着地点

日本の平均死亡年齢は
男性が81歳、女性は87歳らしい

早い、遅いはあるけれど
だいたいこれくらいの年齢で
みんな死ぬ

家族だって恋人だって
恩師だって友人だって
例外はない

終着地に到達したときに
笑っていられるように

愛する者たちと同じ時を時代を過ごせる
奇跡を感じれるようになるために
わたしは花丸をつける

9/9/2023, 8:15:20 AM

鼓動のリズムは生と命を
我々に認識させる

母の鼓動を聴いていたころの安心感を
血が巡る温かな身体を
愛する者が生きていることへの感謝を
鼓動一つで感じることができる

鼓動のリズムは着実に
時が経過していることを
我々に認識させる

老いの恐れ
病の恐れ
死への恐れ
愛する者と別れることへの恐れ

時には限りがあることを
鼓動ひとつで感じることができる

いまという時を大切に
命のビートを強く刻んでいけ


"鼓動"

9/8/2023, 5:34:22 AM

『踊るように』



キレてる!

腹斜筋で大根おろしたい!

腹筋がカニの裏!

肩にちっちゃいジープ乗せてんのかい!

肩から脚が生えてるよ!

親の大胸筋が見てみたい!

背中にクリスマスツリー!

デカすぎて固定資産税がかかりそうだな!

新元号は、筋肉です!


筋肉の品評会

踊るような筋肉

踊るように観客は熱狂する

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