花畑。
みんなで集まって綺麗に咲いてる。
中には上手く咲けていない花がある。
でも全体的に見れば綺麗だと思う。
個々が全部上手くできなくても、
全体で支えてあげればいい。
完璧主義な自分への戒めに…。
空が泣いている。
私の心を投影しているようだった。
私はこんなに悲しかったんだ。
振り続ける雨を眺める。
こんな日くらい暗い気持ちでもいいかな。
晴れがずっと続かないように、
人間の心もずっと晴れているわけがないんだから。
雨を受け入れると同時に、
自分も少し受け入れられた気がした。
ご要望にお応えする為、
お客様の前で優雅に踊ってみせる。
人により踊りが変わることもあれば
同じ踊りを何度も繰り返すこともある。
これが毎日何十回と続く仕事。
接客業。
自分の陰が、よりあなたを煌めかせる。
自分と比較して幸せを感じてくれるなら、
自分は知らず知らず人の役に立っているのかもしれない。
赤く染まった空から眩しい光が窓に注ぐ。
かすかに軽快な鼻歌が聞こえる。
どうやらいつの間に眠ってしまっていたようだ。
さっきまで溜まりに溜まった宿題に絶望していた気持ちが薄まる。
(そういえばもう卒業していたっけ…)
この時期になると、あの頃のバカな自分を夢に見る。
まだ大丈夫だと後回しにする。
ささっと終わらせたらいいのにギリギリまで手をつけない。
最終的に友達や彼女に泣きついて手伝ってもらっていた。
(本当に傍迷惑なやつだったなまったく…)
夢で見た過去の自分にしばしぼーっと呆れていた。
今もたいして変わってないだろ、とふいにもう一人の自分が喚く。
まったく煩わしい…
中身はあの時と全然変わってない。
でも変わってしまった自分の立場にふいに切なくなる。
(変わらないものもあるよな…)
少し先にいた鼻歌の出所に目を向ける。
彼女の奏でるその曲に懐かしさと愛しさが込み上げてきた。
未来に少しの不安と希望を抱きながら、
今日もいつもの日常を生きていく。