『沈む夕日』4/7
1日が終わるのはいつ?
時計の針が0時を回った時、眠った時、、、
1日が終わらないで欲しい日もあれば、
早く過ぎ去って欲しい日もある。
はぁ、と溜め息を吐きながら
私は夕日を眺めている。
「今日も、1日が終わりかぁ」
今日も、私という存在が消えて
薄れていくんだと夜を向かえて思う。
『君の目を見つめると』4/6
「私、瞳占いができるの!」
友人は、いきなりそんなことを言い出した。
いや、瞳占いって何?
「手相占いとか、星座占いとかあるじゃん?
それと同じだよ!?」
意味が分からない。
というか、眼を見て何が分かるっていうんだ。
「分かる、分かる。
例えば昨日の睡眠時間とか?」
おぉ凄い。
でも、占いって過去を見るものだっけ?
「まぁまぁ、物は試しだよ」
友人は、前髪が触れ合う程近くに
寄って、私を見つめているのだろう。
「え、好き」
文脈がおかしい。
「瞳って、鏡になるんだね。
私、めっちゃ可愛いわ」
はいはい、かわいい、かわいい
私は適当な事を言った。
私の目は、何も見えていないのに
『星空の下で』4/5
もし、星に手が届いたらのなら
私は、それを海に投げ入れよう。
最初は、キラキラと輝いていたけど、
時期に、暗闇に消えてしまう。
波の音だけが聞こえる。
顔をあげ、空を見る。
星は降ってこない。
私は、海に反射する星を手に取った。
冷たくて、すぐに消えてしまった。
もし、星に手が届くのなら
暗く冷たい、海に温もりを与えたい。
「それでいい」4/4
赤、青、黄色と導線の繋がれた
デジタル盤の表示が一分を切った。
「ほ、本当に赤でいいんですね!」
私は、震えた手でニッパーを持ち
赤色の導線に切り込みをいれる。
パチンッ、心臓の止まる音がする。
デジタル盤の数字が止まって、
私の時間が動き出す。
「ふぁぁぁぁ~
焼き肉行きましょうよ。先輩の奢りで」
『はいはい、それでいいよ』
「一つだけ」4/3
世界に一つだけ
アナタは何を思い浮かべる?
─────────────────────
それに、形はある?
それとも、概念的?
それは、側にある?
それとも、存在しないもの?
それを、大切だと思う?
それとも、身近なもの?
それの、イメージはどんな?
本当に世界で一つだけ?
───────────────────
それが、君のたった一つの答え
世界で唯一の、ね?
あ、複数の答えがでちゃった?
それとも、何もなかったかな?
まぁ、うん。気楽にいこうよ