『雪』
雪の描写は、儚さや美しさを謳うものが多い気がする。
はらはら、ひらひら。
舞い落ちる、降り積もる。
羽のように、花びらのように。
実際は、重たくて、冷たくて、相手をするのに体力がいるけど、適度に降っている時は確かに美しい。
そう、適度になら。
雪崩、吹雪、ホワイトアウト。
雪は怖くもある。
人は、美しくて怖いものに惹かれるよね。
『冬晴れ』
年末年始の空には独特な雰囲気がある。
晩秋の小春日和のような暖かさはなく、日差しはあるのに風が冷たく頬に当たる。
温もりと冷えを同時に体感する。
これって何かに似ているな。
まるで、そう――露天風呂に浸かっている感じ。
ちょっとのぼせるところも似ている。
『日の出』
この時期に「日の出」と言われたら、初日の出を連想するのだろうけれど、なぜか真っ先に思い浮かんだのはラジオ体操の歌詞だった。
「新しい朝が来た」から始まるアレだ。
曲のタイトルもそのまま『新しい朝が来た』らしい。
溌剌とした歌声に明るい曲調。
子供の頃に刷り込まれた一連の動きは、大人になった今も体に染みついている。
他国の知人にラジオ体操を披露した知り合いが、やたらと珍しがられストレッチとして実にいいと褒められたそうだ。
正月休みで鈍った体を無理なく動かすのにも丁度いい。
そーれ、一、二、三!
『今年の抱負』
我が国では、毎年ひとり抽選で願い人が選ばれる。
国で一番の高さを誇るタワーに吊るされ、日の出から日の入りまで耐え続けると、国がひとつだけ願い事を叶えてくれるのだ。
死者を生き返させるとか、時間を巻き戻すとかの実現不可能な願いは対象外。
その代わり、国家権力で叶うものはなんでも許される。
かつて人々は、各自年が明けると新年の抱負を語っていたらしい。
それが廃れ、人々が夢や希望を語らなくなり、無気力無感動が国に蔓延した時に、この制度が出来たという。
こんなことがやりたい、
こんなことをしようと計画している。
はじめはそういう言葉を後押ししていたそうだ。
耐え切れる者がいない今となっては、影も形もないが。
数年前、私の婚約者が願い人となり、帰ってこなかった。
今年は私が選ばれた。
私はやりきるつもりだ。
もうこんなことは終わりにするのだと――願うために。
『新年』
新しい年が来た。
子供の頃は何をやろうか、何が待ち受けているのかとワクワクしたものだが、歳を取ると一年の無事を何よりも願うようになった。
変化よりも安定。
体調はもちろんのこと、とにかく生活が。
米の値段は下がらないし、物価高はノンストップ。
なんでこんなにチョコ高いの?
安定志向も仕方なし。
今年はなにが流行るだろう。
そういう楽しみはあるよね。
そんなこんなで、
今年もよろしくお願いします。