秘密の標本 (フィクションです)
ある時ヤクなんかの材料になるかなんかで特定外来生物を駆除することがあったらしい
その生物は巷じゃあ可愛いと噂になっててペットとして飼ってる人も多かったみたいだ
それでも政府は何らかの影響を憂慮して駆除を決行
人間どもは抵抗の証としてデモをしたみたいだ
ある人は叫ぶ「ペットにも人権を」
ある人は叫ぶ「ペットにも平等に知識を」
変な話だろう?人間のペットなのに人権?知識?
終いにはその生物の支配下に行くべきだなんだと喚く喚く
あんまりにもにっちもさっちもいかなくなったみたいだ。
目の余る人間どもは、黄泉の国の片道切符を握らされたみたいだ
そんな騒動が起きてる国は一部だけじゃなかった。
ウイルスのパンデミックのように世界中で大流行。
戦争なんて起きないほど荒れ果てた世界は勿論ヤクとスラムと貧困まみれ
原因は何か世界中の人間が調べたさ
それが存在しないんだ。
勿論ヤクだデモだなんかはあるが根本的な原因がない。
ある時スッと世界中荒れ果ててる。
その時何が流行ったか……そう、特定外来生物だ。
不思議なことにある国ではA国、ある国ではB国、ある国ではC国と生息場所は変わっていた。
そんなあり得ない事象に何も疑問を当時は抱かなかった
面白いだろう?人間が見事にその生物に踊らされているじゃないか
そんでもってその生物は何をしたかって言ったら成り代わったんだ人間どもと。
さて今疑問に思ったそこの君、確かに今では人間が地球を支配してると言ってもいいだろう。
人間は滅びたと思っただろう?
つまり、だから人間はペットになったんだ。
人間の歴史によくわからない三百年がある。
その期間人間は書物を残せない、言葉の途絶えた期間。
じゃあどうやって人間が地球を再び支配したか、まさに同じ事をしただけさ。
ひっそりと知識をつけ飼い主をそそのかし、国を荒らす。
三百年と言っても言い伝えが残せるくらいだ。
皆長生きした前提だとひいおじいちゃんくらいの言い伝えになるかな?
人間が再び支配を取り戻す事を夢に見て何を思ったんだろうね、
さてそんな生物、人間が支配権を取り戻しても危険すぎて保管もしなかった。ホルマリンにつけたり細胞を培養したりもね、
唯一書物に残した。
それが全ての歴史で空白の三百年の唯一。
しかしそれも風化して解読が厳しくなってきた。
もう何百年も前の話だからね
さて、こんなところか。
どうだい?面白かっただろう?ある時は貴族が、ある時はマフィアが、ある時は群衆が、ある時は謎の生物が
次は何を登場させたい?
僕はコレクターでね。君たちとは少し違う生き物と思ってくれていいんだが、いろんな物を集めてるんだ。
それがコレ秘密の標本なんだ。
人間は謎の生物を何も残さかったが僕は人間じゃないからね。
どうしたい?君憎いんだろう?人間が。
いいじゃないか。
さあ、口を開けてすぐに幸せになれるよ、
僕達のペットにしてあげる
光と影
羨ましかった。
ずっと、ずっと、
何をやっても褒められ可愛がられるあいつが。
あいつと対比するために生まれたかのような僕は何をやっても詰られる。
褒められることもできず愛想だってない僕。
あいつが光だとすると僕は影に過ぎない。
そんな僕を気にいったらしいあいつは僕を連れて過ごした
僕の意見なんか聞かず好き勝手。
怪我をしたら2人して怒られる。
テストで百点を取ったらあいつも百点。
あいつの周りには人だかりができて惨めになる。
何で後になって僕を褒めるんだ。あいつにしか認められないと証明してるようなものだろうが、
だんだんあいつだけが大きくなって、僕は群衆に紛れる。
何一つとして変わらない生活を送った僕の片割れは呪のようにこのディスプレイの向こうに姿を見せる。
身を分けた二人なのに。なぜこんなに僕だけ惨めなのだろう。
強すぎる光に焦がされて影は消滅するべきなのかも知れない。
影の一つにもなりたくない僕はもうあいつの引き立て役にもなれない。そんな僕に存在意義はあるのだろうか。
所詮影は光によって存在するものだから。
君が紡ぐ歌
「歌姫」
一度聞けば頭から、身体から、本能からこびり着いて離れない
君が歌う度辺りは静になる
絶えず君の周りを取り囲む人間は既に君の物だ
君の歌は、美しい音色はバイオリンのようで自分の語彙力のなさを痛感する。
この世の賛辞の全ては君の為にあるのだろう
君の歌はすべてを救うだろう
君の声は歌はすべての人を幸せにする
人魚ですら嫉妬するほどの美しい歌姫よ
君のような美しい人魚は人間の醜い妬みの果てに人間を滅ぼしてしまえるのだろう
どうか幻滅しないでおくれよ
あぁ美しいひと、
君の紡ぐ歌は、君は、なんて、なんて、
とても言葉に表せない…
君にこの大地も、太陽も、宇宙だって捧げたい…
だからお願いプリンセス
泡となって消えないでおくれよ
moonlight
空を見上げる。
すっかり暗くなった空は辺りの光に照らされて霞んで見える。
もう夜中というのにまだらに光が漏れるここ(都会)に居ると生物としての何かを失っていく気がする。
実家から見た星は綺麗だった。
月明かりを頼りに少し開けたところへ行く。
そこで見る夜空は蛙の鳴き声とともに輝いていて、それが当たり前に感じた事は幸福なんだと思う。
天の川がはっきりと分かる。夏の大三角を指さして、地面に寝転がる。
いつまでもキラキラと輝く星はよく覚えてる。
明日は三連休……
新幹線取れるかな…
昔と変わらない月光と無機質な光に照らされつつ、駅へと向かった
「コーヒーが冷めないうちに」
「あれ?〇〇ちゃん?どこに行ったの?」
夜、少しだけ夜更かししようとコーヒーを2つ淹れた。
キッチンからリビングに戻った時、君は居なかった。
引いた形跡のある椅子
封の開いたお菓子
僕がいた時にはついてなかったテレビはついている
まるで神隠しだ。
きっとどこかへ隠れているのだろう。
君は輝くほど美しいから月のない夜でもきっと見つけれる
君をコーヒーが冷めないうちに見つけてみせるよ