題 形の無いもの
ああ、なるほど…。アナタはそう言いたかったんだね。
うん、大丈夫。私には伝わっているよ。
伊達に何年も一緒にいたわけだし。
あ、そうそう…今日はこれを伝えに来たんだ。
アナタの望んでいた終戦の時が来たって…私はアナタに平和な世界を見せてあげたかった。
幼い頃のようにはしゃいで笑って、一緒に後世を過ごしたかったなぁ。
ごめんね、やっぱり私には後悔せずに生きていくことなんてできない。
…ふふ。慰めてくれてんの?やっぱりアナタはこの世で一番優しい人だ。流石私が愛した人。
そろそろ時間だから行くね…次来るときはとっておきのものを持ってきてあげる、楽しみにしていてね。
何よ、別につまらないものではないから心配しないでよ。
またね。
題 つまらないことでも
たとえ、それがアンタにとってつまらないことでも…アタシにとっては一番大事なんだ。
アンタには分かってもらえると信じていたのに…
ごめん…けど、勘違いしないでほしいのは…
私も同じ気持ちだよって。
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最近、投稿ができなくてすみません。リアルが忙しかったもので。
今日からまた出していこうかなと思っています。
私の物語を見ている方は薄々察しているかなと思いますが、(一番最初の投稿を除いて)登場人物が一緒ですので時間軸、時代などを考えながら、楽しく見て頂けたらありがたいです。
題 友情
友情ってやっぱ大事ですよね
そう言ったのは若くして大尉まで上り詰めた部下である金髪の少女だ。今は社交場であるホールに向かっている途中である。
少し考えるふりをして、肯定をする。
まあそうだな、人生というのは人との交流によって成り立っているものだ。
何故急にそんなことを聞いてきたのかの意図もつかめずいると、前方から黒髪の少女が歩いてくる。こちらも若くして大尉まで上り詰めた天才だ、流石に敵ながらあっぱれとも言える。
さて、二人ともお互いにどのような反応をするのか
同時期に上がってきた二人がお互いに知らないわけがないと思うのだが。
そう考えていると二人はお互いに目を合わせ、微笑み合い通りすぎていった。
なるほど?
どうやら知り合いらしい、私は別に敵だからって交流を制限するつもりはないが、他の人がどう思うのやら。
ねえ元帥
金髪の少女が問う。
今一番欲しいものってありますか?
題 今一番欲しいもの
記憶の中にある金髪の少女が、幸せそうな笑みで聞いてくる
ねえ、今一番欲しいものある?
聞かれた黒髪の少女は答えになっていない事を即答する
そんなもの決まっているじゃない
ただそれだけ…だけども金髪の少女は分かってしまったようで、笑みを浮かべて黒髪の少女に抱きつく。
そして声を弾ませて言う
ありがとう!…いつかまた逢おうね
ああ、こんなにも美しい人に生きていてほしかった。
もし、来世も会えたら今度は私の名前呼んでくれる?
題 私の名前
呼吸が浅くなっていく…目の前で大事な人の命の灯火が消えようとしている。
座り込んでいる金髪の少女は幸せそうな顔だ。
対して、ひざをついて膝をついている黒髪の少女は今にも泣きそうな顔をしている。
周りにいる部下はとても驚いたような顔をしている、当たり前だろう…自分達にとって敵な存在に対して涙を流している。しかもこの黒髪の少女は普段冷静で、あまり感情を出さないのだから。
金髪の少女が困った顔になりながら言葉を紡ぐ
泣かないでよ…___が生きてくれているだけで、私は嬉しいんだ。
黒髪の少女は涙声ながらも、半ば叫ぶように言う
無理に決まっているじゃない!お願い生きて…貴女がいない世界で私だけでどうやって生きていけばいいの?貴女がいなければ、私がここにいる必要なんてないもの!
そんなこと言ったらダメだよ…
金髪の少女はそう言って___の部下であろう人たちを見渡す
こんなにも優秀な人たちが頑張っているんだから、君が支えてあげないと……みんなも___をよろしくね。…………ねえ、私の名前最後に呼んでくれる?
『 』
消えるような声で黒髪の少女が名前を呼ぶ
………ありがとう
そう言って金髪の少女は永遠の眠りについた