俺に言ってくれよ
・泣かないで
「やだ、やだやだ」
何があなたを殺したんですか。
私のせい?ねえ、私のせいにしたい?
ほんとうに嫌いになっちゃうよ。
あなたを愛してるのに。
あなたは私を人殺しにするんだ。
なっちゃった、なっちゃったねえねえねえなんで。なんで。なんでなんで。わたし、私。
暗い部屋で煙草の匂い。
私、あなたの煙草の匂いにだけ慣れた。
ほかは嫌い、全部嫌い。きもいしくさい。
あなただけが許せる。あなただけを愛してる。
晴れた日は頭が痛くなる。
私半袖は着たくない。あなたもそうでしょ。
ねえ、色違いで買おうよ。
私が買うから。ねぇ、いやだ?
好き
すきすきすきすきすき。すき!ぎゅーってして、
ぎゅー ギシ
そんなこと望んでない。
なんで死んだんだよ、クソ野郎。
私を置いてった。
私を置いてった。
私を置いてった。
ゴミ。
きもいしくさい。
好きなのに。なんなの。
・終わらせないで
きらきら光るお前の髪を全部ちぎってみたい。束になったお前の髪がどんどん俺からこぼれていって勿体なくなりたい。きらきら光るお前を見ている。そんな事はしない。お前が死んでもそんな事は出来ない。
笑うお前は可愛いよ。いつも俺は温かく思う。
お前を見ていると太陽の心地がわかる。お前の振り撒く愛嬌は、森から抜けたときの最大の眩しさが、ずっと続くようなものと似ていると思う。
どこにいたってお前のこもれ日を思い出せば歩ける。夜の中に居ても俺は、俺はお前の陽射しを目指している。
・太陽の下で
お前にいっとう似合う服だよ。
あんたにはなんでも似合う。
暖かく過ごしてくれればなんだっていい。
次の冬もあなたに会いたいです。
・セーター
愉快である。蛍光灯がショートした。私はこの街唯一の蛍光灯であった。私は孤島だ。孤独であった。
まちがエルイーディーになっていく。
私はどこへ。私は、動けない足をもっている。
この街で、私だけが、ひとつ、弱い光。
蛍光灯がショートした。
あのお爺さん死んだらしいよ。
居なくなって、せいせいする?
私はただ愛していた。私の頃の街を。
あの暖かい光を。
・どうすればいいの?