22時17分

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9/2/2024, 5:09:59 AM

開けないLINEは、見る必要がないから。
読む価値がないから。
時間がないから。
壁を作りたいから。
馴れ馴れしくされるのはイヤだから。

でも、相手はというとお構いなしにメッセージを送るから、赤い風船が膨らむように数字が増えていき増えていき……確認の指先は画面に触れたくないと駄々をこね、心の殻のなかに引きこもる。

通知はもう切った。
けれど起動するたびに目に入る余計な情報。
相手は本当におせっかいである。
余計なお世話。
その短いセンテンスが言いたいけど、数字の膨らむ終わりなきカウントアップにおびえてしまって、送れずにいる。
画面を支配するように。
送られてくるメッセージの、強調された数字分の言い訳を用意しては無視の雪が心に降り積もっている。
凍え死ぬかもしれない。
拡大解釈妥当。

そして、一ヶ月二ヶ月と放置した夜。
仕事のしわ寄せがあって、誰かのための時間外対応をするバイトのやるせない気持ちで、素早い既読無視をする。
これが最善だ。
身体を丸くさせて、引きこもりの夜はそう殻に閉じ込もるのだ。

9/1/2024, 9:47:01 AM

不完全な僕は、今どこにいるのかわからないほどに蛇行運転気味な台風のように、ふらふらと休日っていう世界を彷徨っている。

けれど、そういう日を過ごしたって、誰にも迷惑かけてないくらいの年齢不問であればいいんじゃないかなあ、って言い訳を脳内生成して夕方になった。

突然死のような夕立。
それを窓越しに見つめると、九月一日なんだなぁ、って思う。

8/31/2024, 8:53:21 AM

香水が洪水に見えて、濁流を抱く龍が寝そべるような川上から幸水の化け物がどんぶらこと流れきた。
誰かが桃のようなでかいナシを拾って、家でパカンと真っ二つに割ったら、硬水が噴水のように吹き出してきて美味しいという話。
(何も思いつきませんでした……)

8/30/2024, 3:29:37 AM

言葉はいらない。
ただ……言い方ってもんがあるだろう。

「九州のお陰で本州が守られたという功績を、東京としては感謝を送りたい」

「大杉のある屋久島に、ノロノロ台風が上陸した結果、台風の目が崩れて暴風域がなくなった」

日本のニュースは、東京・大阪に主語を置いている。
九州四国は、若干の陸地の切り離しがあるので、本州とは呼ばれない。
あれは島国である。
と、どこか遠い国のような気分がある。

雨台風としての脅威は残っているので、来週どうなるか不明瞭。注視に注視を重ね、注視していきたい。
こんな風に考えてない。

8/29/2024, 9:57:19 AM

突然の君の訪問。
とても困るのでお引き取りください、と僕は君に風船をくくりつけることにした。
幽霊のように意外と軽いから、大きな赤い風船とともにふわふわと浮かんで去ってしまった。
徐々に小さくなっていくのを見送る。

「これでよし」

僕は現場猫のような指差呼称で確認する。
右よし、左よし、前よし、後ろ……
と後ろを振り向いたら、赤い風船が見えたものでちょっとびっくり。
いや、びっくりしなくてもよかった。
これは自分で用意していたものだった。

遠目から見たら、バラの花束のように見える。
リビングの窓が開けっ放しなので風が入り、赤い風船たちを揺らす。それだけなのに、空にとんでいってしまった彼女が、その中で蹲っているのではないかと思ってしまう。
一応、手を突っ込み、無いのを確認。
玄関に戻り、施錠。
……あれ? 靴が一足増えている……?
侵入を許したようだ。

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