冷たい風が頬を流れた
こんなにジメジメとした夜なのにおかしい
意味のわからないことをずっと話して
沈黙が嫌で、いろはすをがぶがぶ飲んだ
ふと目に止まる横顔とか鼻筋とか綺麗だなと思って
それでまた、潰し気味に飲んだ
家の近くの川沿いの道を歩いた
馴染みの街灯も反射する川も
川沿いのテカテカした石の椅子も
光がうねって目が回って
全然違うものみたいに見えた。
#夜景
目の前の景色にゼラチンが流し込まれて
まばたきの度にほろほろ崩れた。
空は青いままで、体は動かなかった。
心の中は必死だった。
思い出を裏返し続けた。
楽しさは黒く塗り、
辛さは無理やり飲み込んだ。
あっけにとられて、
どんどん漏れ出すものをみないように
自分の感情をどう表現していいかわからずにいた。
#喪失感
自分の今は最初から決まってたんだろうか。
倫理学の時間に「宿命論」を習った。
人生の出来事はあらかじめ定められてて
人間の努力では変更できないと。
だとすると、自分が自分でない気がする。
文章を打つ今だって、最初から決まってたの?
思うがまま自由に動いてるようでいて
実は決められたルートを歩いているに
過ぎないのかもしれない。
だとしたら、私達の行き着くところはどこなのだろう。
ルートから外れる方法があったりするんだろうか。
#最初から決まってた
海へ行こう
たまには私の車でさ
#明日、もし晴れたら
家族がほしい。
「ただいま」、「行ってらっしゃい」
って愛しい人に毎日言いたい。
ハンカチ忘れてるよ、ポッケが飛び出てるよとか
たくさん世話をやきたい。
いつしかそれが当たり前になって、
たくさん喧嘩もするんだろう。
でも、幸せなんだろうと思う。
自分の子供はどんな顔なんだろう。
どのくらいの重さなんだろうか。
どんな声で笑うんだろうか。
わたしには手に入れられなかった。
口に出すのもきつかったし
諦めたような口を聞いてたほうが楽だった。
だけど、今1番欲しいものと聞かれて
思い浮かべるのはそれだ。
#今一番欲しいもの