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1/19/2024, 9:43:29 AM

レースカーテン越しに
街頭の白い光が畳を照らしていた。

ぐったりとして、ただそれを見つめていた。

#閉ざされた日記

1/15/2024, 10:55:44 AM

手を横に広げて歩いた。

私の失恋をからかい半分で慰める

友達の声は置き去りになった。


すすきのようなものが揺れていた気がする。

世界は黄金色に包まれてその先に雲が広がっていた。

#この世界は

1/13/2024, 3:40:28 PM

この部屋から出たら、

この時間が終わったら、

その続きを考えたくなくて、

指先の温もりと甘い言葉に縋り付く。


#夢を見ていたい

1/11/2024, 11:01:37 AM

君がいるから平気だった。

コートのポッケにふざけて手を入れて

その中で手を握るのが好きだった。

2人共冷え性だから全然温まらなくて

鼻をすすりながら一緒に歩いた。


君と最後の日、改札前で握手をした。

君の鼻は赤くなっていた。

お互いの心は決まっていて、

なのに、君の柔らかくてちょっと冷たい指先から

そんな思い出がこぼれだしてしまったんだ。

#寒さが身に染みて

1/8/2024, 12:33:59 PM

「色とりどり」は強敵である。

化粧品売り場に行ったときのことだ。
その日は丸腰で前情報を持ち合わせていなかった。

売り場はブランドごとに整列されていた。
ローズ系の口紅は視界に入るだけで数種類、
ブランドを変えれば星の数ほどに感じられた。

アイシャドウパレットは私を誘惑し戸惑わせた。
「可愛い」と手に取った瞬間に
「いや、似合うのか。使いやすいのか?」
「そもそも自分はイエベなの?ブルベなの?」
「この値段はリピ買いできるか??」
の問いが繰り返される。

口コミや似合うパーソナルカラーをすぐにでも調べたいが、今日は一人ではない。

後ろから健気についてくる恋人は、
「ゆっくり見てください」のスタンスだが、
いつ「全部同じ色じゃん」なんて
疲れ果てるか分からない。

一つの情報も取りこぼすまいと
青ざめて目をぎょろぎょろさせながら、
店をぐるりと一周した。

そして様々な色と選択肢に圧倒され、疲弊し負けた。

次こそ準備を整え入店しようと
化粧品売り場を後にしたのだった。

#色とりどり

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