頭の中に、彼がいつもいて、
会う日には、化粧も服も念入りにして、
次に会えるのを楽しみに毎日を過ごす。
彼と出逢ってから、私の日常に、
そんな出来事が現れるようになった。
楽しみは思い出になり、
一緒に過ごした日々も色褪せ、
頭の中の彼は、朧げになった。
彼と離れてから、私の日常は、
そんなふうに変わっていった。
何となく、昔のような熱は無いんだろうな、と
彼を見ていて思っていた。
このまま離れたとしたら、その先はもう無い
んだろうな、と漠然と思っていた。
そしてそうなることに、悲しみや繋ぎとめようと
する気持ちも、私には無かった。
自然消滅して、時間が経つ。
彼をまったく思い出さない、とは言わない。
ぶつかり合ったこともあったけど、楽しいことも
多かったから、朧げながらも、彼は思い出の中に
いるのだ。
彼の中に、もし私との思い出があったとしたら、
「楽しかったな」と言ってくれるような、
そんな思い出になっていたらいいと思う。
欲張りかもしれないけれど。
「君に出逢ってから、私は…」
新緑の季節がやってきた。
天気のいい日は、芝生にでも寝転んだら、
さぞかし気持ちがいいだろう。
ハイジの世界みたいな。
大人になってから、外で寝転んで空を見上げる
なんて、ほぼしていないと思う。
周りを気にするというか、恥ずかしいというか。
子どもの頃は、きっとしていた。
きっとみんなでゴロゴロと転がっていた。
今、それをしようとはもう思わないけれど、
流れる雲を追ってみようか。
青空に映える白い雲を。
「大地に寝転び、雲が流れる」
プレゼントしてくれてありがとう。とか
連れてきてくれてありがとう。とか
彼にきちんと言っていた。
お礼を言わないなんてあり得ない。
ただ、それは、その時その時の「ありがとう」
だったと思う。
言っていなかったのは、「いつもありがとう」。
一緒に過ごしているのが普通になっていること、
それに対しての「ありがとう」。
言っていたら、ますます嬉しそうな顔をした
彼を見れたかもしれないと思う。
そういう「ありがとう」は、伝えるの、大事だった
かもしれない。
「ありがとう。そんな言葉を
伝えたかった」
夢の中でも、あなたは優しい人。
でも、そんな所まで優しくなくていいよ。
だって、あなたは過去の人だもの。
「優しくしないで」
私の持っている服って、寒色が多いな。
暖色や白も、あるにはあるけど、
黒系、青系、特にカーキなどの緑系が多い。
ただ、気づいたんだけど、ピンクの物も
結構持っているんだよなぁ。
薄いピンクだったり、サーモンピンクだったり
するけど、財布とかバッグとか、タオルだって
そうだ。
こうして振り返ってみると、気づかなかった
ことも発見できて面白い。
今度、服を買う機会があったら、たまには
ベージュ系の物でも選んでみようか。
「カラフル」