はなから、「当たり前ながら、見られるもの
ではない」と思っているので、これがこうなら…
と想像することも無い。
その根底には、「不安」があるのだろう。
将来。悩み。身体。この先どうなっていくのか
それが分からないから、仮の話でも楽しく想像
することができないのだ。
どんなに考えても願っても手は届かない。だから
見たいとは思わない。夢が無い、と言われれば
それまで。
それでも強いて言うとするなら、翌日の天気なら
知りたいものだな。
「もしも未来を見れるなら」
あの人との時間は、色を失った。
もう輝くことも鮮やかさも無い。
でも、それでいい。
過ぎ去った時間は、遠い昔になる。
思い返しても、もう戻っては来ない。
「無色の世界」
今年も、桜の季節は終わった。
毎年、あっという間のように思う。
あまり見上げることはしなかった。
きれいだとは思うのだけど、
いろんな事がスタートするこの季節とセットの
ように咲くのが、この季節を苦手とする私の
気持ちがあまり動かないのだ。
満開も素敵だが、それよりも散っていく様が
私は好きだ。
はらはらと散るその姿がきれいに思う。
儚さや一抹の寂しさを感じながら、
その中を歩いたり運転したりする。
その時間が好きだ。
きっと来年も、散っていくその姿に
心を奪われたりするのだろう。
「桜散る」
思い出は、過去に存在するから思い出なんです。
そこに縛られるということは、
“今”をリアルに感じずに生きているということ
なんです。
あなたはもう過去の人だけど、
夢に出てくると、思い出がふと蘇って、
何とも言えない気分になるんです。
“今”が遠ざかってしまうんです。
もうそばにいない人だから、
思い出は、過去に置いておきたいんです。
それでももし、偶然に再会でもしたとしたら、
その時は、笑いながら昔話でもしましょう。
二人の過ごした思い出の無い、どこかで。
「ここではない、どこかで」
きちんと聞けばよかった。
あなたの本音を聞けばよかった。
もう会うことは無いと、何となく思っている
んだろうことを、きちんと確かめればよかった。
今さら思ってみても、もう遅い。
この気持ちは、時間が経っても、
ずっと抱えていくんだろう。
もう届かないのなら、
自分の中から消えてしまえばいいのに。
「届かぬ想い」