まにこ

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3/10/2025, 2:53:04 AM

突然降って湧いた、怪異なるもの。
一度犯した過ちはきっと、死ぬまでついて回るのだろう。
墓場から産まれた赤子の片目を潰してしまった罪と罰。
それは、僕が一瞬にして水と化して消えてしまうまで続いた。
助けを求めて伸ばした手は「じゃっ、」という何とも短い返事でもって応えられた。
嗚呼、僕の人生は一体何だったのだろう。
……これで少しでも何かが報われるのならば、それで構わない。
痛みを伴う別れは、存外呆気ないものだった。

3/9/2025, 1:32:04 AM

ここは、誰にも言っていない私だけの秘密の場所。
大好きなお兄ちゃんにだって内緒だ。
そこは、皆が寝静まった夜だけ行くことができる。
「おやすみなさいお兄ちゃん」
「うん、おやすみ」
そんな間を置かず、隣ですぅすぅと寝息を立てる私の兄。
さて、今晩も探索開始だ。
横向きにごろんと転がる兄の寝巻きをそっと捲る。
ぺろんと出てきた、丸みを帯びた桃のような尻。
自分の指にだらんと唾液を垂らし、指先をどろりと濡らす。
兄の褌を少しズラし、秘密の場所へと指を沈める。
鼻に抜けるような甘やかなお兄ちゃんの声が探索の合図。
今晩はどこまで進めるか。
起きないように細心の注意を払って、少しずつ秘密の場所を暴いていこう。

3/7/2025, 11:27:31 PM

歌が聴こえる。
誰の、声だ。
キラキラと美しく光る輝きの中に大佐は消えていく。
ラ、ラ、ラ……
「大佐!早く!避難を!」
私の叫びも虚しく、宇宙要塞ごと抉り取ってそれは消滅した。
「時が、視える」
謎の言葉を残して。
必ず貴方を探し出します。
だからその時までどうか、お元気で。

3/7/2025, 1:48:50 AM

この空の下、あなたがいてくれることがどれだけ嬉しいか。
それはもう二度と会えることが無いと分かっていても。
風に運ばれてきた花の種が春を知らせてくれる。
嗚呼今年もこの季節がやってきたんだね。
じわり、溶けていく僕のからだ。
沢山の愛情込めて作ってくれた白いからだ。
頭のバケツが、カランと落ちる。

3/6/2025, 2:11:03 AM

夢を、見過ぎたようだ。
甘く揺蕩うような時間はもう終わり。
さて、ここでクエスチョン。
「来月のお支払い額はこちらです」
スマホがギラリと光る。
このアンサーを知るのはまだ少し、先で良い。

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