―――タッタッタッ
真夜中の雑居ビル、靴音が響く
「おいっ!どこだ!! 隠れてないで出てこいっっ!!」 タッタッタッタッタッタッタッ……
「……………(行ったか?)」
「ねぇ」
「!!?」
「しーーーっ」
「っ、テメエっ! 何しに来た?!」(小声)
「ふふっ、助けに来たに決まってるじゃない?」
「ふっざけんな!俺にとってはお前も敵だっ!」
「も~、今はそんなこと言ってる場合じゃないでしょ!ほら、早くついて来て」
「…………クソッ、」
―――その後、見事な連携プレイを見せた2人は…
無事に任務を完遂した
「ははっ♪ 久しぶりに楽しかったよ。君のピンチな姿が見られて♪」
「チッ、俺は楽しくねぇ!さっさと帰れ!二度と来んな!!」
上司「はぁ~~~、君たちはいつもケンカばっかりして…戦闘の相性だけはバッチリなのに……
まっ、今後も活躍してもらうけどネッ☆」
お城に住むお姫様。
彼女は美人で、性格も良くて、心優しい。
お金だって持っている。
そう、何もかもが完璧…!
あぁ、聡明な彼女は自分が恵まれてるって気付いてるんでしょう?
「あなたのことが羨ましい…
私なんて、何も持ってないただの女の子だもん」
――――――――――――――――――――――――
町に住む女の子。
彼女は明るくて、元気いっぱいで、好きなことが何だって出来る。
何処へだって行ける。
そう、何もかもが自由…!
あぁ、奔放な彼女は自分が何にも縛られないってわかってるんでしょう?
「あなたのことが羨ましい…
私なんて、意思の持てない籠の中の小鳥だもの」
ずっとメガネだった…
今日からコンタクトだ!!!
『HAPPY BIRTHDAY!!!』
1年に一度、LINEを送る。
大好きな先輩へ。
彼とは高校生のときに出会った。
電車の駅で見かけた。一目惚れだった。
勇気を振り絞って声を掛け、連絡先を聞いた。
それからたまに話すようになったけど、
恋なのか、ただの憧れなのか…
よくわからなくなって…
ただ時間だけが過ぎていった。
―――そして彼も私も卒業した。
切ない思い出。
でもね、先輩の誕生日だけは特別なんだ。
今も必ずお祝いの連絡をする。
「ありがとう」って言われるだけでいい。
先輩後輩でいられるだけでいい。
先輩が幸せならそれでいい。
白い羽が舞う。
ひらり、 ふわり、 ひらり。
――――――――――――――天使が舞い降りた。
森の奥にある、古代の神殿。
緑の風が吹き込み、今も神聖な空気が漂っている。
天井に現れた大きな輪、
『光の抜け道』はすぐに消えた。
力を使い果たした神の使いは、巨大な柱に身体を預ける。
まぶたを閉じ、ひっそりと羽を休めた。
やがて眠りについた――――――
天使には望みがあった。
『人間の世界を旅すること』
―――やっと叶うのだ。
次に目が覚めたら、背中の翼を思いっきり広げよう。
そして、新しい世界へ飛び立つんだ――――