神様、神様、神様…
3回呼んで
祈る。
手を合わせて
目を閉じて
願う。
望みは叶うだろうか、
思いは届くだろうか、
この世の全ては
神様の「こころ」の中。
「はぁ~、今日も疲れた~」
アスファルトをたどる足は重い。
街灯と家々からこぼれた灯りが、昼間とは違った雰囲気をかもし出す。ただよってくる晩ごはんのにおいに、お腹がキュウゥと反応した。
歩みを進める―――
ふぅ、もうすぐだ。我が家は坂の上にある。
濃紺に染まる空の中、屋根の上に一番星。
おっ、玄関の電気がついてる。
足を早める―――
「おとうさぁ~ん!おかえり~~!!」
娘だ。手を振って待っている…!妻も一緒だ。
笑顔になって、駆け出した―――
「っただいま!」
麦わら帽子の君。
ひまわり畑にたたずむ。
「あっっつーーーーーっい!!!」
叫んでる…
「でも最高ーーーー!!!!」
両手を上げて、くるくる回り出した。
かわいいなぁ。
ファインダーをのぞく。
カシャッ
日差しに負けないくらい、君は輝いてる。
坂道を下る。
見えてくるのは、
はためく「氷」の文字と、白い建物。
海の見えるカフェ。
入り口のベルが、カランと鳴った。
夏の間、窓際の席が僕の特等席だ。
クーラーがちょうどよくて、アイスコーヒーがうまい。汗が引いていく。
瞳の先にあるのは、暑いけど爽やかな風景。
波の音さえ響いてくるような……
海とカフェが僕にくれる、癒しのひととき。
休日の午後、まどろみの時間。
私とあなた、猫のメープル。
みんなで寝転んでスヤスヤ…
広いリビングに大きな窓、新築。
箱がまだ片付いてないけどちょっと休憩。
癒される木のにおいで満ちている…
幸せ。
ふと目を覚ますと小指に毛糸が巻き付いていた。
横を見ると、メープルが毛糸玉とじゃれている。
もちろんあなたの指にも絡まっていて。
ふふっ、2人と1匹、なんだか運命の糸でつながってるって感じ。
秋はまだ遠いけど、これでマフラーを編んでみようかな。
幸せの赤いマフラーを。