今さらさらと名前を呼んでももう遅い。
彼女はいつまで立っても告白をしない僕にぷりぷりと怒りながら帰ってしまった。
さらさん!今度の夏祭りに大事な話があるんだ…!
と、小田井さらさんを夏祭りに誘うところまでは完璧だったが、いざ夏祭りに行くと緊張と、きっかけもなく夜店をだらだらと巡るだけになっている。
しまいには友達グループに見つかり、恥ずかしさから小田井さんとは偶然そこで会って…なんて言い訳してしまったのが決定打になってしまったのか、その後はいくら呼びかけても彼女はプイっと顔を背けてばかりだった。
このままでは埒が明かないと思い、いよいよ覚悟を決めて話そうとした時、ッドーーーンと言う大きな音と共に夜空に花火が咲いた。
僕はタイミングを逃したなぁと思いただだた花火を眺めていた。
ふと隣の彼女を見てみると何か憂鬱な顔をして花火を見上げている。
僕は気になり、何か悩みでもあるのかい?と彼女に尋ねると。
あなたの意気地の無さに呆れてるのよ。
昔から大事なことは黙って誤魔化したりする所、ほんと変わらないね、話がないなら帰るわ。
と言い残して、帰ってしまった。
僕は一瞬何が起こったのか分からずぼんやりとしてしまったが直ぐにハッとし、さらー!と呼びかけても花火の音にかき消されてしまう。人が大勢いる中で彼女の姿を完全に見失ってしまった。
結局その後は彼女とは卒業まで仲のいい友達という関係になってしまった。
遠い夏の思い出。
これで最後
今月の生活費は後一万円。
次の給料日まで後20日。
さて、どうしたものか、ここまでお金が無いのも私が根っからのギャンブル好きだからだ。
次こそは、次こそはとどんどんのめり込む性格のため、気が付くと毎月ギリギリの生活を送っている。
そして毎月同じことを誓っている。
これで最後の勝負にしよう…と。
最近会社では直接話すことが少ない。
それもそのはず、働き方が出社型からリモートワークとなり、コミュニケーションはもっぱらチャットやメールとなってしまった。
会話をしない訳ではない、だがあまり関係のない部署の方とはめっきり会話は減ってしまった。
以前は出社した時に挨拶がてら他愛もない話を君とするのが何よりも癒しだった。
君とは部署も別のため業務上話をすることもなく、かと言って電話をする程の用事もない。
リモートワークはとても楽だ。
この働き方は個人的にも助かっているが、もう君と他愛もない会話をすることは無いのだろうと考えると、何かこうやるせない気持ちになる。
そういえば、最後に君の名前を呼んだ日はいつだったっけ?
同じ言葉でも、歌で伝えるのと話して伝えるのでは全然ちがう。
歌い方一つで同じ言葉でも全然ちがう。
あなたを愛してる
さて、あなたはこの言葉を誰が歌う歌で想像しましたか。
誰もが知っている歌でも良いし、あなたオリジナルの歌い方で伝えてみるのもいいですね。
愛する人へ
今回は先生のお力でわが社の商品を採用までしてもらいありがとうございました。
と言い、とある議員にヘコヘコする会社の社長
なぁに、そんなこと君と僕の仲ではないか…
と、議員はハハハと笑った。
ところで…例のものは忘れていないよな?
はい、先生のおかげで莫大な利益が生まれましたので…
もちろん御用意してあります。
と言って、ニヤリと笑いながら先生へのお礼をそっと包み込んで、またよろしくお願いします!と言いながら渡していた。