5/16/2024, 3:49:17 PM
愛があれば何でもできる?
『愛があれば、なんでもできるのよ』
そう教えてくれたのは母だった。当時の私はふーん、と深く考えることなく聞き流していたけれど、今の私にはその言葉の意味がよくわかる。
隣には大好きな貴方。忍び込んだビルの屋上。遠い地面を眺めていると、肩をぽんぽんと叩かれた。
「怖い?」
しゃがみ込み私の顔を覗き込む貴方。
「怖くないよ」
微笑みながら答えると貴方もふっと笑った。震える貴方の手を強く握った。冷たい夜風が頬を撫でる。息を吐くと白く染まり空気に溶けていった。ふと隣を見ると貴方と目が合った。
「愛してるよ」
「私も」
見つめ合いながら足を一本前に出す。ありもしない地面に足は行き場をなくし、上半身からぐらりと中に浮いた。握った手は離さないまま、目を瞑った。
やっぱり愛があればなんでもできる。
3/9/2024, 12:25:38 PM
過ぎ去った日々
4月がまた、刻一刻と迫ってきている。
過ぎた日々はもう取り戻すことはできない。
あの時ああ言っておけばよかった。
あんなこと言わなきゃよかった。
あの時こうしておけばよかった。
あんなことしなければよかった。
君に好きと伝えなければよかった。
君を好きにならなければよかった。
君と離れたら、この気持ちはどうしたらいいんだろう。
まだ離れたくない。
桜の花がこんなに怖いのは初めてだ。
3/2/2024, 10:01:58 AM
たった1つの希望