フラワー
帰ったら、扉に花が活けてあったの。
ドアノブに巻き付けるように、添え書きと共に。
「ご卒業おめでとうございます」
綺麗な花、ではあったの。
でも全くお世話になってない人で。
全くお世話したことのない人で。
花言葉を知った恋敵のように、全てが造花に見えて。
綺麗なはずなのに、どこかこの詩みたいにガタガタ。
だから、ペットボトルに活けることにしたの。
真ん中半分チョキチョキして。
添え書きはクリップで止めてあげて。
最後に写真を撮って完成。
添え書きはすぐ捨てちゃった。
もう1枚写真を撮って、嫌いで好きな子に送った。
とっても気持ち悪い。
綺麗なのに、どこもかしこも気持ち悪い。
言の葉すらない花なのにね。
言の葉を持った人なのにね。
風が運ぶもの
タンブルウィードの匂いがする
深海の都会に輝くビルのネオン
複雑怪奇な言葉だらけで
いつの間にか色が消えていた
幻覚幻聴ご上等
今が夢の蜃気楼だとしても
きっとその霧は風になる
凪
いつでも君を運んであげるよ
君が本当に望むのなら
いつでも君を運んであげるよ
ここじゃない場所なら、どこへでも
question
先生、教えてくださらない?
私は何に迷っているの?
だってなんにも困ってない
ただ、行きたい道の先が崖なだけじゃないですか
先生、教えてくださらない?
どうしてそんなに話したがるの?
人が一人墜ちることを社会は許容しているのに
どうして教養はそれを許さないのですか
どうして無関心でないのですか
私が迷子ではないからですか
私が迷えば存分に見限れて
この遺書もフィクションに堕ちるからですか
それなら、ずっと子どもでいたかったです
「question」なんて言葉を使えない
白兎を観ないアリスになりたかったです
誰も知らない秘密
実は私ね
詩ぬために書いてるの
なにかする為に生まれてきたはずなんだけど
色々あって忘れちゃったみたいで
だから、1番狂わされたこれで、たくさん狂わせるの
自分がこの世に生まれてきたんだって
それで目的はいいんだよって
そう言いたくて書いてるの
同情も友情も臆病も警鐘もいらなくて
ただ傍迷惑に私は、私らしさをするの
それをするだけの徳は積んだし
それに至るまでの毒も摘んだから
だから、お行儀よくちゃんと読んでてね
全ての詩が終わるその時まで
悪い詩が暖炉の火を消す、その時まで
あおい
手を繋いで
もし手がなくても
手は繋げるらしい
変な言葉
それこそ言葉狩りみたい
もし手があっても
手なんて繋げない
変なオトナ
恋ってもみじ狩りみたい