スマイル
知らない彼女がニヤッと笑った
作り笑いだとすぐに気づいた
それほど彼女の会話は濃厚で
とっても完璧すぎたから
いつもの何かがズレてる会話とは
全く違う差し込まれた油は
嘘とともに水泡に帰した
可憐なスマイルだった
知ってる彼女がニヤッと笑った
意地悪な笑いだとすぐに気づいた
それほど彼女の会話は単純で
とっても伏線じみていたから
いつも通りの道を歩いて
いつも通りの闇を呟いて
いつも通りにバスで帰った
病弱なスマイルだった
彼女が笑った
僕もすぐに笑えた
ああ、違う。違う。
僕の好きな笑顔は
彼女の求めた笑顔は
あとどのくらい歩けば 辿り着けるのだろう
みんなみんな
本音なんか声に出せなくて
ただ笑っていただけなのに
時計の針
ちょっとおかしな時間だけど
詩を書いてみることにするわ
ちょっといつもより暗がりだけど
光を浴びてみることにするわ
青白いネオンが照らしてて
赤白い太陽を真似してて
そんなお部屋の静寂の中を
ハイヒールがランウェイするの
すっごく素敵でしょ?
ここには誰もいない
ここには舞台しかない
自分勝手はダメなのでしょうけど
でも たまには必要よね
溢れる気持ち
気楽に溢れたり溢れなかったりしよ
取りこぼしたっていいんだから
だってそれは 君自身から溢れているものなんだから
1000年先も
もし
馬鹿馬鹿しい事だけど
私が紡いだ詩が 1000年先も残っていたら
私は 少しは何かができたのでしょうか
何か残せたのでしょうか
劣化しないデジタルの時代において
私の詩は 消えずに残り続けるのでしょうか
ええ もちろん
私たちの信念は変わりませんとも
今を精一杯 我武者羅に 格好良く
周りにとって馬鹿げていて
自分にとって誇らしい
そんなものを本気で追い求める
それが私たちの 当初からある生き様なのですから
1000年先なんて 誤差ですって、ね
勿忘草(わすれなぐさ)
黄金の瞬きは流れ
木の葉はざあざあ
風はびゅーびゅーと唸っていて
眩いだけの視覚できない空間に
勿忘草の香りを聴いた 気がした
どうして私は覚えていないのだろう
花の想いも 土の手触りも
全部 全部
残っていたはずなのに
どうして私は忘れているのだろう
流れ出た雫は盆に帰らない
ならばせめて 少しずつ摘み取ろう
忘れないように 忘れないように