Nijiame

Open App
2/8/2024, 5:22:31 PM

スマイル


知らない彼女がニヤッと笑った
作り笑いだとすぐに気づいた
それほど彼女の会話は濃厚で
とっても完璧すぎたから
いつもの何かがズレてる会話とは
全く違う差し込まれた油は
嘘とともに水泡に帰した
可憐なスマイルだった

知ってる彼女がニヤッと笑った
意地悪な笑いだとすぐに気づいた
それほど彼女の会話は単純で
とっても伏線じみていたから
いつも通りの道を歩いて
いつも通りの闇を呟いて
いつも通りにバスで帰った
病弱なスマイルだった


彼女が笑った
僕もすぐに笑えた
ああ、違う。違う。


僕の好きな笑顔は
彼女の求めた笑顔は
あとどのくらい歩けば 辿り着けるのだろう

みんなみんな
本音なんか声に出せなくて
ただ笑っていただけなのに

2/7/2024, 7:46:40 AM

時計の針


ちょっとおかしな時間だけど
詩を書いてみることにするわ

ちょっといつもより暗がりだけど
光を浴びてみることにするわ

青白いネオンが照らしてて
赤白い太陽を真似してて

そんなお部屋の静寂の中を
ハイヒールがランウェイするの

すっごく素敵でしょ?

ここには誰もいない
ここには舞台しかない

自分勝手はダメなのでしょうけど
でも たまには必要よね

2/5/2024, 6:27:42 PM

溢れる気持ち



気楽に溢れたり溢れなかったりしよ

取りこぼしたっていいんだから

だってそれは 君自身から溢れているものなんだから

2/3/2024, 6:59:47 PM

1000年先も


もし

馬鹿馬鹿しい事だけど

私が紡いだ詩が 1000年先も残っていたら

私は 少しは何かができたのでしょうか

何か残せたのでしょうか

劣化しないデジタルの時代において

私の詩は 消えずに残り続けるのでしょうか


ええ もちろん

私たちの信念は変わりませんとも

今を精一杯 我武者羅に 格好良く

周りにとって馬鹿げていて

自分にとって誇らしい

そんなものを本気で追い求める

それが私たちの 当初からある生き様なのですから

1000年先なんて 誤差ですって、ね

2/2/2024, 5:22:34 PM

勿忘草(わすれなぐさ)



黄金の瞬きは流れ

木の葉はざあざあ

風はびゅーびゅーと唸っていて

眩いだけの視覚できない空間に

勿忘草の香りを聴いた 気がした



どうして私は覚えていないのだろう

花の想いも 土の手触りも

全部 全部

残っていたはずなのに

どうして私は忘れているのだろう



流れ出た雫は盆に帰らない

ならばせめて 少しずつ摘み取ろう

忘れないように 忘れないように

Next