幼馴染彼氏といつもの帰り道、24時間消えそうで消えない灯りが付き続けている。
「これって消えないのかな?」
「消えてほしいの?」
「んー。なんか消えたら悪いこと起こりそう」
「消えたら別れたりして」
縁起でもない冗談を笑いながら話す彼を上目遣いで睨む。
そんな1年前が懐かしく輝いている。
「灯り、消えてないのに別れちゃったね」
私たちの時を繋ぐ糸ってきっと細くて短いと思うんだ。
目にも見えない存在すら危ういの。
いやでもそう思わなきゃ、
この関係に、つく必要のない示しがつかないでしょ?
出会いの春、燃えるような夏、人肌恋しくなる冬。
魅力的な大人、憧れの先輩、対等な同級生。
たくさんの人を好きになってきた。
快適で不安定な秋のように
満たされて寂しい恋をしたいの。
誰かいい人紹介してよ。
年下との恋愛か。未知ってドキドキするのね。
貴方は駄目よ。
貴方は私の弟同然なんだから。
キャストもストーリーも決まっていない
この恋のタイトルは「秋恋」にしようと思うの。
タイトル負けしないストーリーを作れる最高のキャスティングを待っているからね
便利だけど不便で
自由だけど不自由だった
カラーよりもモノクロが主な時代に出会えていれば
この出会いもありきたりな出会いじゃなくて
運命的な特別な出会いだったのかな?
私は、あなたとの関係にほとんど納得しているの。満足している。
歳、性別、立場、相性、距離感、価値観、経験、頻度。
ただ、時代がどうしようもできないのはわかっているけれど、きっとママとパパの時代か、それかジジとババの時代に出会えていれば、私たちは完璧だったと思うの。
時代が私たちの出会いを運命にしてくれていたはず
だったと思うよ。
私の涙の理由なんて知らなくていいんだもんね
君はただ
泣く私を慰める心の優しい人になれれば
私からの評価じゃなく、この場面を見た人たちの評価がほしいんだもんね