まだ暖かかった昼頃換気のために空けた窓からの風が冷たくなってきて、窓の方をみる
窓の向こうには家が隣の幼なじみであり、わたしが思いを寄せている相手がいる
何をやっているんだろう
あ、ゲームか
じーっと見ていると不意に目が合った
彼も私に気づいたみたいで窓を開けている
何か言っている?
ま、ど、あ、け、て
そう口パクで言われてすぐ窓をあけた
「ねえ、いまからそっち言っていい?
良いの見つけてちょうど見せつけたかったんだ」
「えー、わかった。良いよ」
素直じゃないなど自分のことだが思い、ついあがってしまった口角をさげながらきみのもとへ向かう
「おじゃましまーす!」
玄関のドアがあいた
会いたかった人が入ってきた
ショートスリーパー
今はそんな言葉もあるらしい
まさしく私はショートスリーパーだ
そう言ってしまうとなんだか格好よくみえるが、全然格好よくない
それに、私は眠たくならない訳ではない
むしろ寝たい
だが、毎晩毎晩明日のことを考えるとなぜか不安になってしまい全然眠れない
授業中うとうとしてしまい、注意されそれが怖くなりそのことがずっと脳内にあり夜になりまた眠れなくなる
そんな繰り返しだ
このことは誰にも言っていない
どうすればいいのかわからないのだ
誰かに相談すれば良いのか、はたまた病院に行けばいいのか
わからない
けど、いつか気持ちよく眠れる日が来る
そう信じている
夢をみている
いつかしっかり眠り、夢の中で夢をみてみたい
窓ガラスから吹いてくる冷たい風
「寒いね、閉めようか」
だいぶ枯れてしまっている木を見つけ、もうそんな時期かと寂しくなりながら窓を閉める
彼は寒くないのだろうか、彼の寝ているベッドの金
属の部分は冷たくなってしまっているのに
「手、つなご」
そう言うとすっと静かにゆっくりと出される手
指は細くなってしまったが、この大きな手は変わらないみたいだ
「あのね、今日学校でね、、」
頷くことも口を挟むこともなく、ただ静かに私の話を聞いてくれる彼
がらっ
「あら、今日もきてくれたのね、ありがとう」
「病院が学校の通り道なので、来やすいです!」
「良かったわ、またあとで来るわね、ごゆっくり」
「ありがとうございます」
「でね、さっきの続きなんだけどね、、」
本当はこの病院は、学校の通り道ではない
むしろ真逆だ
けど、お医者さんが言うにはこの木が枯れる頃、きっと彼は死んでしまうのだ
考えるだけでも涙がとまらない
真逆だろうが、私はどこへだって彼のもとへいく
彼といる時間が大好きだから
ああ、ずっとこのまま時が止まってしまえば良いのに
雪はあまり好きでない
去年の自分ならきっとそう言うだろう
ただとても寒くなり、転びやすくなるだけそう思っ
てた
けど、彼女は雪がなぜか好きなようで毎回毎回うきうきしていた
「もーう!何やってんのー!ほら!早くおいで!」
こんなにも雪で楽しそうに遊ぶ彼女を見ると、
雪も好きになってくる
なーんて妄想を毎年出来るからまあ、悪くもないかもな
幸せってなんだろう
幸せといわれて皆は何を思い浮かべるのだろう
推しをみること?
子供の成長?
美味しいものを食べている時?
考えれば考えれるほどたくさん出てきたのではないのだろうか
私はたくさん出てきた
つまり、それは幸せが身近にある
そう言い換えることも出来るはずだ
幸せが近くにあることを知り、幸せを感じながら生
きる人生と、
何もしらないで知らぬ間に幸せを逃している人生
どっちかより幸せなんだろう
考えた方は人それぞれだか、考え方一つで人生が
変わるのならしっかりと考えるべきだなと思った