かずひめ

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窓ガラスから吹いてくる冷たい風

「寒いね、閉めようか」

だいぶ枯れてしまっている木を見つけ、もうそんな時期かと寂しくなりながら窓を閉める

彼は寒くないのだろうか、彼の寝ているベッドの金
属の部分は冷たくなってしまっているのに

「手、つなご」

そう言うとすっと静かにゆっくりと出される手

指は細くなってしまったが、この大きな手は変わらないみたいだ

「あのね、今日学校でね、、」

頷くことも口を挟むこともなく、ただ静かに私の話を聞いてくれる彼

  がらっ

「あら、今日もきてくれたのね、ありがとう」

「病院が学校の通り道なので、来やすいです!」

「良かったわ、またあとで来るわね、ごゆっくり」

「ありがとうございます」

「でね、さっきの続きなんだけどね、、」

本当はこの病院は、学校の通り道ではない

むしろ真逆だ

けど、お医者さんが言うにはこの木が枯れる頃、きっと彼は死んでしまうのだ

考えるだけでも涙がとまらない

真逆だろうが、私はどこへだって彼のもとへいく

彼といる時間が大好きだから

ああ、ずっとこのまま時が止まってしまえば良いのに

1/12/2023, 1:08:44 PM