だから、一人でいたかったんだ。
以前来た時に忘れたものを取りに、昼休み屋上に来た。そこにはボサボサの黒髪のヤツが1人。よく見たら幼馴染の悠斗だった。
「あっ…春樹…。えっと…やっほー?」
どう見ても悠斗はさっきまで泣いていた顔をしている。
「どうしたんだよ、悠斗。お前、目が腫れてるぞ。」
悠斗は焦った様子で下を向いた。
「…なんでもない。大丈夫だよ。それより春樹はこんなところに何の用だ?」
「あぁ、忘れ物を取りに来たんだ。」
「…そっか。もしかしてこれかい?」
「おぉ!それそれ!ありがとな!悠斗!」
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せっかく勇気を出して屋上まで来たのに、やっぱり根が弱虫だからいざやろうって思うと涙が出てきて。
でも覚悟を決めた。それなのに春樹が来て…。
俺は春樹の事、大切な友達だと思ってる。だからこそ、傷つけたくなかった。だから…距離を置いて、1人になったのに。
自ら望んだのに寂しくて、辛くて、悲しくて…
だから…
人混みの中でも目立つ君の澄んだ目を
奪って、染めてしまうのは星々と打ち上げ花火。
夏休みにしか会えない君に、もっと僕を見てほしいって思ったけどやっぱり言えないや。
星も花火も無くなってしまえば僕を見てくれるかな?
でも、無くなってしまったら君が涙を流すから
今年も僕は君の澄んだ目を眺めている。
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いつも私のことを見てくれる貴方が好き。
星空に上がる打ち上げ花火を見ないで
私を見ている貴方が好き。
夏休みにしか会えない君に、もっと私を見て欲しいって思ったけど言えないや。
もっと色んなものに釘付けになればもっと私を見てくれるかな?でも釘付けになればなるほど、貴方が寂しげに私を見てくるから
今年も私は星空に浮かぶ打ち上げ花火を見ている。
嵐が来ようとも君を迎えに行こう
嵐が来ようとも君を守り抜いて見せよう
もし君が危険なものに触れそうになったら
私自身が嵐になり君を守ろう
「やばいって!花火始まっちゃうよ!」
お祭りと言えば焼きそばでしょ!!
美味しいなぁ…!ジュースも飲んじゃお!!
って周りの人が移動してる?あっ
そうだ!もう少しで花火の時間だ!!
急がないと!!もう、こういう時に限って1人なんだよなぁ…
「1人かぁ…ごめんね、一緒に行ってあげられなくなっちゃって。」
んー?誰か何か言った?
「聞こえてないかぁ…涙が出てきちゃったよ。」
うわっ!目に汗入った!!痛いー!!
お盆祭り楽しいなぁー!
お盆ってなんの日なんだろ?
神様なんて居ないよって
神様が降りてきてそう言ったよ
神様だって矛盾するんだから
人間が矛盾しちゃうのも仕方ないよね
自分は神様を信じていないけどね
自分は神様に祈りながらビルの風に包まれて落ちたよ
そしたら
神様なんて居ないよって
神様が降りてきてそう言ったよ