アイリス

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だから、一人でいたかったんだ。


以前来た時に忘れたものを取りに、昼休み屋上に来た。そこにはボサボサの黒髪のヤツが1人。よく見たら幼馴染の悠斗だった。
「あっ…春樹…。えっと…やっほー?」

どう見ても悠斗はさっきまで泣いていた顔をしている。

「どうしたんだよ、悠斗。お前、目が腫れてるぞ。」

悠斗は焦った様子で下を向いた。

「…なんでもない。大丈夫だよ。それより春樹はこんなところに何の用だ?」

「あぁ、忘れ物を取りに来たんだ。」

「…そっか。もしかしてこれかい?」

「おぉ!それそれ!ありがとな!悠斗!」


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せっかく勇気を出して屋上まで来たのに、やっぱり根が弱虫だからいざやろうって思うと涙が出てきて。

でも覚悟を決めた。それなのに春樹が来て…。

俺は春樹の事、大切な友達だと思ってる。だからこそ、傷つけたくなかった。だから…距離を置いて、1人になったのに。

自ら望んだのに寂しくて、辛くて、悲しくて…

だから…

7/31/2023, 11:35:18 AM