募金箱にお釣り134円をそっと入れた。
「こんなに?!ありがとうございます!!」
募金活動をしている女性の方が、目をぱあっと見開いて僕にそう伝えた。
僕は罪悪感に包まれてしまった。
ごめんなさい。
それだけを思った。
みんなきっと人のために募金をするか、何となくするかのどちらかだろう。でも僕は違った。汚かった。
僕より酷い環境の人がいることに喜びを感じ、それの感謝料として入れた。しかも入れれば褒めてもらえる。
そんな汚い気持ちで募金箱に小銭を入れた。
誰かのためになるのならいいのではないか?
そう思った時期もあった。
でも、でも。
これは誰かのためではなかった。
紛れもなく、僕のために、
自分のために募金をしたのだ。
女性の純粋な瞳からじんわりと伝わる輝きは僕のためにあるのに。
ごめんなさい。
拝啓 昨日までの私へ
ちゃんとご飯は食べていましたか?
友達はいましたか?
恋人はいましたか?
元気でしたか?
寂しくなかったですか?
家族はいましたか?
家はありましたか?
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「はぁ、虚しいな」
私は昨日事故にあって記憶喪失になってしまったらしい。何も覚えていないから手紙を書いたけれど、そういえば手紙は過去へは送れないんだと今気づいた。
病院で点滴に繋がれて窓から眺める景色は見たことあるはずなのに、どこか懐かしいのに、思い出すことは出来なかった。
何度離れてもだめ
何度触れてもだめ
何度消し去ってもダメ
日を置いてもダメ
何をしてもダメ
あー辛い
見られたらやばい
引かれたくない
誰かを頼りたいけど
頼ったらやばい
なんでこんなことしちゃったんだろ
「エロい広告に釣られて広告タップしなきゃ良かった、、」
みんなウイルスには気をつけようね!
昨日の自分にさよならして
明日の自分に未来を託して
今日の自分へ後悔を寄せて
全ての自分を蔑み懺悔する
そしてまた
明日の自分に未来を託す
【透明な】
君の目から落ちるあたたかい涙
君の額から流れるしっとりした汗
君の口からこぼれたねばねばした唾液
君の股から溢れる充満するアンモニア
君の鼻から垂れる揺れる鼻水
【不透明な】
君の腕から飛び散る赤い糸
君の口から溢れた血反吐
君の鼻から垂れる僕の証
君の透明な肌に付いた青紫と赤色のバッジ
と
それを覆うウェディングヴェールとリボン
不透明な僕に染まった透明な君が大好き