理想の僕。
頭がいい僕。
運がいい僕。
優しい僕。
泣き虫じゃない僕。
弱虫じゃない僕。
友達が沢山いる僕。
お話が上手い僕。
ポジティブな僕。
いい子な僕。
沢山褒められる僕。
ないものねだりをしない僕。
「君がいた世界」
――あれからどれくらいだったのだろう。
君がいなくなったあの日。あの日と同じ真夜中の空気が自分の体の隅々に巡って少し冷ややかで寒くて寂しい。
君はきっと空にいてこっちにいた時に輝けなかった分、夜空で星となって輝いているのだろう。
そんなことを思っていても君はもう戻って来れない。戻ってこない。
いくら悩んでも、願っても、懺悔しても、、、
ところで今日はいつもよりも星がよく見えるところに来ているんだ。僕は遠出が好きじゃないから近くだけど。君と少しでも近くいられることは幸せで素敵な事だと思うんだ。
そう考えると、なんだかとても苦しく辛くなってきちゃった。
だから君に会いに行くよ。今まで会いに行けなくてごめんね。でも今から会いに行くよ。これからはずっと一緒にいられるから、もうこの生活には戻れないし戻らないし、戻りたくないから。
―今日バレンタインだねー!
外から女子の声が聞こえた。
バレンタインか。。。
どうやら好きな人に贈り物をする日らしい
「よし。」
私も贈り物をしようじゃないか
なぁ?兄弟。
返事をしてくれよ
同じ見た目をしているのにお前と私は何故ここまで
差があるのだ?
同じ椅子に座り、同じ食事を取り、同じ湯船に浸かるのに。
なぜ?
まぁいい。お前は何も出来ないからせめてもの救いだ。
「私の偶像になってくれ。」
「愛する者よ。"私"を受け取るといい。」
―待ってて、この場所で。
そう言われたのは何時の日か。
焼きごてを押し付けられたかのようにじんわりと心に永遠に残るその言葉は二十年前に亡くなった彼女の言葉だった。その時はどうも現実を受け止めることが出来ず、じわじわと流れる点滴をただ見つめることしかできなかった。
彼女は私にとって命の恩人だった。私はこの世界の人々に絶望して夜中、はしからとびとりようとしていた。そこに現れたのが彼女だった。彼女は泣き出した。私は不思議だった。どうして今日、今会った人のために泣けるのだろう。この人は優しい人だ。それしか答えは見つからなかった。ああ、まだこの世界には暖かい人がいるのだ。そう思った。
さて、そろそろ寝る時間ではないか。なぁ、×××今日はお客さんが来てくれたんだ。君の話をしたよ。今日もずっと動かずに隣にいてくれてありがとう。ここはとてもいい所からね。木は20年と1度も葉を落とさないから夏も冬もいられる。でも今日は少しばかりいつもよりも寒いね。あぁなんだか眠くなってきたよ。「おやすみ。×××。」
「約束、守りきれたよ。」
この場所で
この場所で
人は何を聞くのだろう 聞くのだろう
この場所で
この場所で
風は何を思うのだろう 思うのだろう
あの場所で
あの場所で
光は何を感じたのだろうか?
この場所で
この場所で
好きな所へ動けず
鳥の囁きを聞けず
風のなだらかさを感じられない私は
この場所で
この場所で
何を思うのだろう