なかの

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募金箱にお釣り134円をそっと入れた。

「こんなに?!ありがとうございます!!」
募金活動をしている女性の方が、目をぱあっと見開いて僕にそう伝えた。
僕は罪悪感に包まれてしまった。
ごめんなさい。
それだけを思った。
みんなきっと人のために募金をするか、何となくするかのどちらかだろう。でも僕は違った。汚かった。
僕より酷い環境の人がいることに喜びを感じ、それの感謝料として入れた。しかも入れれば褒めてもらえる。
そんな汚い気持ちで募金箱に小銭を入れた。

誰かのためになるのならいいのではないか?

そう思った時期もあった。
でも、でも。

これは誰かのためではなかった。
紛れもなく、僕のために、
自分のために募金をしたのだ。

女性の純粋な瞳からじんわりと伝わる輝きは僕のためにあるのに。

ごめんなさい。

7/26/2023, 10:15:21 AM