手を繋いで
私の友達はボディタッチが多い。
それはもう"JK"といった感じに。
「おはよ〜!」
元気よく走ってきては抱きついてくる。
「おはよ…朝から元気だね」
緊張してしまう。いまだに慣れない。
女同士とはいえこんな対応をされたことがないのだ、
仕方ない。仕方ない…
「顔赤いよ?あっためてあげる!」
頬を包まれる。
「あったかいでしょ!
バスの暖房であっためてたんだ〜」
「うん。でも君の手が冷えるよ…」
内の熱が彼女に伝わる前に頬から遠ざける。
「冷たっ、手の方が冷たいじゃん!」
「あっごめ…」
「も〜しょうがない!手、繋いであげる。
早く教室行こ〜」
「ありがとう…」
軽く手を引っ張られる。暖かい。
でもやっぱり慣れないな。
しばらくは、慣れる気がしない。
逆さま
「逆さまだと不安にならない?」
君は鉄棒にぶら下りながら突然そんなことを言う。
「えーっと…どういうこと?」
「なんかさーホラーゲームとかにない?
ほら、脅かすシーンに」
「そう言われると…ある、のかな?」
「んー世界が逆さまだとさ、不気味というか、
秩序がないというか…正しくない?みたいな」
「うーん…よくわかんないや」
「逆さまだったら非日常って感じで
面白そうだけどなぁ」
「ははっ君には悪いけど逆さまなのは
僕と君の性格だけで十分だよ」
少し呆れたように笑う君と僕は、確かに逆さまだ。
涙の理由
理由なんてない。
一度流れてしまうともう、どうしようもない。
やめろやめろやめろ
とまれとまれとまれ
呼吸が、鼓動が速くなる。
ああほら、反応に困ってるじゃないか。
なんでもないよって言え。
声が出ない。どうして、
"どうして泣いてるの"って自分でもわかんないよ…
やめてくれ、君は悪くないんだ。
そんなに優しくしないでくれ。
全部、俺のせいなんだ
好きな色
"好きな色は何ですか?"
迷うそぶりもなくピンクと答えた。
多分、理由なんて無かった。
少し悩んで青と答えた。
子供っぽいのが嫌だった。
暖かみがあるからオレンジと答えた。
まともな理由があった。
どんな色にも染まるから白と答えた。
どんな色にも染まらないから黒と答えた。
何処からか拾ってきた言葉を並べていた。
今までの回答に本心はあったのか。
これからの回答に本心はあるのか。
"好きな色は何ですか?"
「私の好きな色はーー」
降り止まない雨
俺は引きこもりだ。
だけど雨の日だけは外に出る。
雨にあたっていると嫌なものが流される気がして。
世間から守ってくれる気がして。
それに傘もささず歩いてるなんて
どこかの主人公みたいだろ?
さあ今日はいつまでこの時間が続くだろうか。
行くあてもなく歩き続ける。
雨が降り止むまで。