学校の課題、予習、勉強。もう疲れて学校に行きたくなかった。でも休んだらその分遅れて、取り返しがつかなくなるのなんて目に見えている。
朝目が覚めると、起きたあとなのに疲れている体。また学校、1日が始まる。最近、学校に行くのがすごく憂鬱だ。
学校について、長い授業を受けて、放課後。なんとなく残ってた数人の友達。先生がいないのをいいことに私達は遊んでいた。
謎のゲームが始まって、何かの決勝戦が開かれて、爆笑する私達。楽しい時間だった。
そろそろ帰るか、と校舎の外に出ると青い空が広がっていた。疲れるときも嫌になるときもあるけど、この晴天をみるとどこまでも行けそうな、そんな気持ちが湧いてくる。
もしまた疲れたら、この日のことを、気持ちを思い出したい。きっと、この空が私の心を優しく溶かしてくれるはずだから。
「ねぇしりとりしよー」
「いいよ」
小さい時から慣れ親しんだ言葉遊び。それはいつも突然始まる。
「じゃあ''り''からね、りんご。」
「ごりら」
始まりはいつも、り。(笑)
「どうした?そんなところで。」
「あ、いや、考え事してただけ。…そっちこそ、何でここにいるの?」
「あー、彼女と喧嘩してさ。」
「そうなんだ。」
寒さで外に出るのも億劫になってきたこの季節。人気のない廊下でぼっーとしていたところを、よりによってこの男に見られてしまった。
「何で喧嘩したの?」
「それが、私のこともっと好きって言ってよ。他の人見ないでよって怒られてさ。俺はずっと伝えてきたつもりだし、彼女以外みてないんだけどな、って悲しくて。」
「…大変だね。」
自分はやったつもりなのに、相手はそうは思っていなかったって辛いよね。そう表面上で共感しても、心の奥底にあるずっと前に割り切ったはずの気持ちを思い出しそうになる。
「…俺、やっぱ戻るわ!話聞いてくれてありがとう。寒いからこれあげるよ。」
そういって渡されたのは、暖かいカイロだった。相手にとって何気ないことでも、好きな人だったらとても優しく見えたりする。
だって今も、ずっと前に諦めたはずのこの気持ちが忘れられない。