5/5/2024, 3:29:47 AM
サァサァと雨が降る。
なんとなく遠出した帰りのサービスエリア。
車を停め、エンジンも切って、運転席の背もたれを寝やすい角度まで倒していく。少し調整をしてひと息ついた。
車の窓越しに降り続く雨を眺めながら、耳を澄ます。
風もなく、雨粒が車体を叩く音だけが響く車内は雨の日だけの特別な空間だった。
まだ、暫くは降り止まないだろう。
5/2/2024, 11:17:16 AM
誰にでも優しい君は、今誰よりも傷ついていて。
みんなの痛みを引き受けながら、いつもひとりで泣いていたのを知っている。
もういいよ。もう、優しくしないでいいから。
君が壊れてしまいそうで怖いから。
どうか君が、酷い人になれますように。
5/1/2024, 1:26:21 PM
幼い頃に『カラフル』を読んだ。内容は覚えていないのに、なんとなく好きだった事は覚えている。
その頃に好きだった話といえば国語の教科書に載っていた話がぽつりぽつりと浮かんできて、けれどそれを誰が書いたかとか、どんな話だったかとかは曖昧だ。
たとえば先生と手のひらが印象的だった話、綺麗な空と歩道橋が印象的だった話、コンビニと傘の話は国語じゃなくて道徳の教科書だったかもしれない。交通事故を起こしてしまった青年が、何年にも渡って給料を遺族に送る話はなにか曲の詞だったか。勉強はあまり好きではなかったけど、学年があがって新しくなった国語の教科書のページを捲るのはどきどきした。
国語の教科書って大人が個人で買えるものなんだろうか。一冊の本ではなく、たくさんの話が部分的に載せられた真新しい教科書をまた手にしてみたい。